「このソフトを活用するようになって、受注率がぐんと上がった」。こう話すのは、埼玉県春日部市の工務店、DSKの成田孝満さんだ。成田さんが使っているのは「3DマイホームデザイナーPRO」。CADほど操作は難しくなく、プレゼンテーション用のパースを作成できる。価格も、一般的なCADやパース作成ソフトと比べて安価だ。間取りや外観・内観のイメージを建て主と共有する際などに使える。
成田さんは「提案の時点で、見積もりと一緒に完成イメージのパースを必ず出すようにしている。その点が評価され、以前は1対9の割合で少なかった元請けの仕事が、今は4対6くらいまで増えてきた。元請け・下請けを合わせた件数ベースでは、10件中7～8件は受注につながっている感触がある」と説明する。
建設中のI邸のパースは、設計事務所からパース作成のみを請け負った。建て主のIさんは「図面では、玄関から洗面所が見えることに気付かなかったが、パースだと分かりやすい。外壁の色はもう少し薄いものをイメージしていた」と話す。
2010年7月30日に発売した「3DマイホームデザイナーPRO7」では、作成したデータを無料のiPhone（アイフォーン）アプリ「3D家ビューア」にアップロードすると、iPhoneやiPad（アイパッド）でデータを閲覧できるようになった。外観を360度回転させて、屋根形状などを見せることも可能だ。内観では、指定した位置から、空間の見え方をシミュレーションできる。
成田さんはこの機能を、職人への説明にも活用している。上の写真のように、現場にiPadを持って行き、パースを見せながら仕上がりのイメージを説明する。
大工の人見弘二さんは、「展開図がない場合、寸法を書き込んだ平面図を見せられるよりも、完成形をパースで説明してくれた方が分かりやすい。完成形が共有できれば、職人側から下地の処理などを提案することもできる」と話す。
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