発注者、設計・コンサル、元請け、下請けの契約に大きな影響を与える可能性がある、「民法(債権関係)改正の中間的論点整理」を法務省が公表した。100年以上にわたって積み重ねてきた契約法の判例・解釈を分かりやすく民法に盛り込むことが狙い。明治期から一度も改正されなかった民法典の大改正となる。中間論点整理は8月1日までの一般意見募集を経て、今秋以降から中間試案の策定に入る予定
今回の民法大改正は、民法条文だけでは現行の契約関係実務が機能せず、これまで判例や解釈の積み重ねで成り立っている実態を踏まえ、法務のプロだけが持っている現行民法の積み重ねられた解釈を、条文として明文化することで、「世界中で進む契約法のグローバルスタンダードへの影響力行使と、中小企業の法務コスト引き下げメリット」(民法学者の内田貴法務省参与)も狙い。
国内契約法の最上位法である民法改正の論点整理では、設計・コンサルの契約形態である委任、工事契約形態である請負の報酬や瑕疵(かし)担保責任などの規定が細分化されているのが大きな特徴だ。
特に、下請負については新たな規定を設ける考え方が提示されているほか、下請けの発注者に対する報酬の直接請求権付与や委任契約でも受任者(設計・コンサル)のリスクが高まる「忠実義務」規定の有無など、建設産業界にとっても大きな影響を与えかねない内容が提示されている。
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