日経ホームビルダーは、住宅の新築やリフォームで発生しがちな顧客からのクレームから得られる教訓を、「クレームに学ぶ」として連載している。ここでは、2010年9月号に掲載した内容の一部を紹介する。
設計事務所代表のAさんは、新築住宅の設計をいつものようにB工務店と相談しながら進めた。
ユニークな設計図書でも設計者の意図の通りに読み解き、着工後の変更にも敏速に対応するB工務店は、Aさんにとって頼もしい存在だ。設計した木造住宅では、同工務店が特命で施工を請け負うのが原則だった。今度の案件でもそのつもりだった。
Aさんは実施設計の終盤に至ると、設計の完了を待たずに部材の仕入れや加工を始めておくようB工務店に指示した。施工の本来の発注者である建て主のCさんの了解はもらっていなかった。
Cさんは設計者選びの際に長時間の面談を行い、Aさんと意気投合していた。「自分を信頼しているようなので、ほかの建て主と同様に施工者選びも任せてくれるだろう」とAさんは思い込んでいた。
「施工者も面談で」
Aさんの見込みは甘かった。「施工はいつもの工務店が既に準備中です」とCさんに話すと、「施工者選定まで先生にお任せしていない。施工者も複数の候補から面談で選びたい」とはねつけられた。
Aさんは「自分の設計にはB工務店が最適」とCさんを説得し、B工務店の社長と引き合わせた。
だがCさんは、考え方が合わないと言ってB工務店を受け入れなかった。このことをきっかけにAさんとの関係が悪化したため、地元の建築士事務所協会が開設している消費者向けの相談窓口に相談した。設計料を全額支払ってAさんと関係を断ち、設計者選びからやり直すことにした。
施工の難度が高い住宅を手掛ける設計事務所が、特定の工務店を頼りにすることはよくある。頼られた工務店としては、その設計事務所の物件ならば労せずして施工を特命で請け負えるし、顧客対応は設計者が一手に引き受けてくれると安心したくもなるだろう。
しかし実際にはCさんのように独自の考えで施工者を選びたい建て主もいる。設計者を深く信頼している建て主でも、施工者選びを設計者に一任するとは限らない。
施工者は、設計者が主導権を握っているような物件でも、契約相手である建て主への対応に抜かりがないよう気を付けたい。
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