国交省 バリアフリー基準の見直し検討 目標達成状況を精査へ / 建設工業

国土交通省は来年度、バリアフリー新法に基づく基準の見直しを検討する。同法の基本方針では、2010年を目標年次として、旅客施設や建築物のバリアフリー化などを推進していることから、目標達成状況を精査した上で、11年以降の取り組み方針を固めていく。高齢者や障害者などの利用者をはじめ、交通事業者や設計者、学識経験者らを交えた検討組織を立ち上げて議論する。見直しを行う場合は、関係政省令やガイドラインなども改正することになる。

 バリアフリー新法は06年12月に施行され、併せて策定された「移動等円滑化の促進に関する基本方針」で具体的な取り組み目標が示された。平均利用者数が1日5000人以上のすべての旅客施設については、原則としてバリアフリー化を図ることが目標に掲げられ、段差の解消は71・6%(09年3月末時点)の進ちょく率。延べ2000平方メートル以上の特定建築物のバリアフリー化率を約50%とすることなども盛り込まれている。鉄道駅などを中心とした地区ごとの移動円滑化対策を示す「基本構想」については、259市町村が策定し、構想策定数は343件となっている。

 国交省は、エレベーターやエスカレーターの設置といった基礎的なバリアフリー対策が進展してきたことに伴い、今後は、利用者の使いやすさをさらに高めるような質の向上が必要になるとみており、課題をあらためて探っていく考え。1月19日には「バリアフリーネットワーク会議」を開き、関係団体などと意見交換を行っている。来年度は、バリアフリー化基準の適合義務についての調査や、視覚・聴覚障害者の安全性・利便性に関する調査なども行い、具体的な対応策を詰めていく。

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