文部科学省の小中学校施設部会(部会長・長澤悟東洋大教授)は4日、学校施設整備の基本方針や計画、設計上の留意事項を示した『学校施設整備指針』のうち、小学校と中学校の改定案をまとめた。小学校では外国語活動室の項目を新設し、多様な学習活動が実施できる空間を計画する際の留意事項を記述した。中学校は武道の必修化を受け、武道を安全で円滑に実施するための記述を追記したほか、理科教室、図書室などの記述も充実させている。
今後は、部会の上部組織に当たる「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」(主査・杉山武彦一橋大学長)の議論を経て、文科省が今月末をめどに指針を改定、適用を始める見込みだ。
改定は、小・中学校学習指導要領改定による教育内容・教育方法が変化することへの対応、耐震化・環境配慮・施設評価など社会状況の変化などを踏まえて、指針に反映させることが目的。
指針改定案によると、小学校の外国語活動室計画では、床に座っての活動にも配慮するとした。中学校の武道については、施設環境を一層充実させるための記述を増やしている。また、屋内運動施設の快適な環境づくりや、家庭や地域社会との連携を充実させる施設の記述なども追記している。
部会では、指針改定の検討だけでなく、小中学校教育を充実させるための施設整備推進方策も議論してきた。
方策では、自治体などの学校設置者に対して、▽多様な学習内容や学習形態が可能な環境整備▽学校と家庭、地域社会が連携していくための関係諸室の充実――が重要とした。
国に対しては、外国語活動施設整備への支援方策の検討、施設を整備する学校設置者への財政支援などに加え、優れた施設整備事例集の作成や指針についての研修会の実施など、施設整備に関係する情報を積極的に提供することを要請している。
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