建設業団体、「一般社団」が多数派に / 建設工業

建設業界団体で、公益法人改革への対応方針が出そろってきた。建築業協会(BCS)、日本道路建設業協会(道建協)、日本建設業経営協会(日建経)、海外建設協会(海建協)は、一般社団法人を選択する方向で検討しており、それぞれ5月に開く総会で正式決定する見通し。日本土木工業協会(土工協)も一般社団法人化を視野に入れている。公益社団法人は、税制優遇などのメリットがある一方で、会員企業向けの共益事業がやりにくくなるといった懸念があるため、多くの団体が一般社団法人を選ぶ傾向が浮き彫りになっている。

 BCS、道建協、海建協は、正式決定後、11年度中にも移行申請を行う予定。日建経は、本年度末から来年度初めころをめどに、一般社団法人化へ向けた定款変更などに取り組み、移行申請へと進む方向だ。土工協も、11年度中に方針を固めるとみられる。このほか、日本建設業団体連合会(日建連)が、一般社団法人を選択する方向で調整している。全国建設業協会(全建)は、公益社団法人を目指す方針を変えていないが、ハードルが高い状況もあるという。全国中小建設業協会(全中建)と全国建設産業団体連合会(全国建産連)は、ともに未定としている。

 一般社団法人を選択する団体が多い背景には、公益社団法人の認定や維持の難しさがある。公益社団法人だと、公益目的事業の比率を50%以上とすることが求められ、該当しない場合は認定が取り消される。そうなると、会員企業向けの事業を減らさざるを得ない。一方で公益社団法人は税制優遇を受けることができ、団体がより公的な位置付けと認識されるメリットもある。いったんは一般社団法人を選び、その後、公益社団法人を目指すケースも出てくる可能性がある。

 08年12月に施行された「公益法人改革3法」では、公益法人(社団法人、財団法人)に対し、公益社団法人や一般社団法人などへの移行を選択することを義務付けており、施行後5年の移行期間内に対応できなければ、解散しなければならない。

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