国土交通省は3日、夏季の電力抑制のため工事の施工者が施工時間変更などに取り組むことで、工期延長や請負代金変更などを発注者側に施工者が相談した場合、可能な限り柔軟に対応するよう求める通知を発注者となる都道府県・政令市や民間団体などに対して送付した。政府の「夏期電力需給対策」を策定して電気の使用制限を公表したことを踏まえ、建設業界でも電力抑制に取り組む考えで、発注者側に対し業界における活動への配慮を求めた格好だ。
政府の「夏期の電力需給対策」では、東京電力と東北電力の管内全域で7月1日以降、「国民・産業界が一丸となって」需要抑制に取り組むことが示された。これを受け日本建設業連合会(日建連)は、会員145社の使用電力を昨夏比15%程度以上削減するための「電力対策自主行動計画」を策定。常設事務所での2週間の夏季休暇や、電力需要ピーク時の電力使用量が大きい作業の回避、土日・早朝を活用した作業、自家発電機の活用などに取り組む計画となっている。
建設会社が工事の実施日や施工時間を変更することで、工期の延長や請負代金の変更などが必要になる可能性がある。ただ、工期延長や請負代金変更は、受発注者の協議によるところが多く、発注者の理解が不可欠となる。
このため国交省は、施工者が発注者に相談した場合に、電力需要抑制の必要性を踏まえて、「できる限り柔軟に」対応するよう求めた。公共工事については、公共工事標準請負契約約款で受注者の責任ではない場合の工期変更などを受注者が申請できることになっている。 民間工事でも建設会社による電力需要抑制に向けた取り組みによる工期延長などの相談に発注者が理解を示してもらえるよう民間団体にも要請した。
民間団体への通知は、建築士関係の団体や、自動車関係団体、石油関係団体、鉄道関係団体、JR各社、生命保険・損害保険関係団体などに送付する。自治体は、関係都道府県・政令市に送付し、各都道府県から関係市区町村に周知するよう求めている。
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