国土交通省の「建設産業戦略会議」(座長・大森文彦弁護士・東洋大法学部教授)は23日、最終会合を開き、「建設産業の再生と発展のための方策2011」をまとめ大畠章宏国交相に手渡した。地域の建設業が共同で災害対応や除雪、インフラ維持管理など地域維持事業を担えるようにする地域維持型JV制度の創設や、保険未加入企業の排除に向けた保険加入目標の設定、監理・主任技術者の資質向上や適正配置の徹底にもつながる技術者データベースの整備、二段階選抜方式の導入、片務的な請負契約の解消に向けた「建設業法令順守ガイドライン」の策定などを提示した。今後、中央建設業審議会での審議などを経て、政省令や法律の改正などが必要になる見込み。
建設産業の再生と発展のための方策では、建設業の現状を定量的に分析した上で、課題と対策を提示した。
建設投資減少と比べて企業数が減っていないことや、営業利益率が低迷していること、販管費負担が重くなっていることから、建設業の「過剰供給構造」を改めて明記。定量分析を踏まえた課題として、地域社会の維持を担う企業の確保、技能労働者の雇用環境改善、技術者の育成と適正配置、公共調達市場と受発注者の関係などを直面する課題に挙げた。
◆地域維持型JV
災害対応や除雪、維持管理といった地域維持事業は、採算性が低いという課題がある上、業務を担う地域の建設企業が減少している。これに対応するため、時期や分野、地域を一括で複数年契約する方法を提案。地域の建設業が共同で地域維持事業を受注できる仕組みとして、新しいタイプのJVである「地域維持型JV」の創設を提言した。中央建設業審議会の共同企業体運用準則の改正などが必要になるとみられる。
◆保険未加入解消
企業の経営状況の厳しさが技能労働者の処遇低下につながっているとも指摘。特に法定の保険に加入せず、経費負担を軽減して競争力を高めるという現状に強い懸念を示した。今後、目指すべき姿として、企業単位での保険加入を100%、労働者単位での保険加入を製造業並み(雇用保険92.6%、厚生年金保険87.1%)とする目標を掲げ、1年程度の周知期間を設けた上で、排除方策の大規模工事から段階的に拡大し、5年をめどに達成する。
保険加入促進に向けた行政、元請け、下請けが一体となった取り組みを求め、行政の指導監督方策として許可更新時の加入状況確認、公共工事参加者の加入状況確認、建設業担当部局による立入検査を挙げた。
元請けには下請けの指導を求め、建設業法の政令で元請けによる下請け指導責任を明確化する考えだ。下請けによる保険加入徹底も必要で、建設業者の団体による労働者の加入状況チェックも進める。中建審を経て政省令の改正が必要となる。
◆技術者データベース
新規入職者数が減少、監理・主任技術者など技術者の確保・育成も大きな課題だ。工事の品質確保には監理・主任技術者の専任といった適正配置が重要にもかかわらず、専任違反などの監督処分は後を絶たない。
これらの改善に向け、技術者データベースの構築を進める。本人確認用の情報や、資格情報、学習履歴、現場配置情報、所属建設会社情報などを登録し、発注者などがアクセスできるようにする。技術力向上が次の仕事に対するインセンティブ(動機付け)になる仕組みだ。データベース化によって、現在のシステム上で専任制が確認できる公共工事の監理技術者情報だけでなく、民間工事での専任も確認できるようにする。さらには、工事実績情報システム対象工事の主任技術者についてもデータベース化の対象として段階的に拡充することも提案した。
◆入札契約適正化
公共調達市場については、地方自治体における予定価格の事後公表や調査基準価格の引き上げなどのほか、各地方自治体における地域要件の運用方針策定や地元企業活用型の総合評価方式導入も促進する。WTO(世界貿易機関)対象工事を中心とした競争参加者数増による過度な価格競争の問題、総合評価の技術提案などでの手続きコスト縮減に向け、参加希望者を簡易な技術審査で5者程度にまで絞り込み、技術と価格による総合評価で落札者を決める二段階選抜方式の導入も検討する。入札契約適正化指針の改正が必要になる。
受発注者間の請負契約は、対等であるべきではあるが、往々にして片務的になりがちという問題も残っている。公共、民間にかかわらず、下請契約を含めた契約全体の対等化・明確化を促進するため、受発注者双方を対象とした「建設業法令遵守ガイドライン」を早期に策定する。
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