国土交通省の「技術者制度検討会」が開始した技術者制度のあり方をめぐる議論で、改正された健康保険法の存在が大きくクローズアップされる可能性が高まっている。技術者の本人確認で使われてきた健康保険証に、所属企業名の記載がなくなるケースがあり得ることが理由だ。発注者にとっては現場専任配置の確認として新たな手段が求められるのは確実。悪用されれば技術者の名義貸し問題が拡大するほか、技術者数による企業評価にも影響を与えかねない。厚生労働省の改正が建設産業・発注行政、建設業界に思わぬ波紋を呼ぶことになりそうだ。
厚労省が健康保険法施行規則を改正・施行したのはことし8月31日。それまで健康保険証に義務付けられていた「事業所所在地」「事業所名」を削除し明記しなくてもいいことが最大の特徴。
厚労省は、「健保組合の合併や移転が進めば、新たに健康保険証をつくる必要がある。そのため、(事業所名・所在地の明記義務付けを)削除するメリットがある」と事務量負担軽減を理由に挙げる。ただ、期間を定めない経過措置として、従来の健康保険証も認めている。
複数の企業が加盟する健保組合にとっても、加盟企業が合併や移転した場合に対象企業分の保険証を切り替える必要があり、今後、今回の改正を踏まえ所属企業名を削除した保険証に切り替える可能性は十分ある。
一方、建設業法で規定されている技術者制度そのもの、さらには品質を確保するために技術者の適正配置を確認する発注者にとって、厚労省の今回の改正は新たな問題を引き起こすきっかけになりかねない。所属企業名入りの健康保険証がなくなれば、施工企業と雇用関係の確認も技術者の現場専任配置の本人確認も難しくなることが理由だ。
これまで、監理技術者・主任技術者の適正配置は、施工企業に属さない技術者を配置したり形式上配置する形にするいわゆる名義貸しなど、違法行為防止のために、本人に対しては、健康保険証や源泉徴収票などで、また企業には健康保険被保険者標準報酬決定通知書や市町村民税などの特別徴収税額通知書、技術者の工事経歴書などの提出で確認していた。
今後、所属企業名などを削除した新たな健康保険証に切り替われば、少なくとも所属企業との雇用関係を証明していた健康保険証による確認は難しくなる。
事業仕分けで、「監理技術者資格者証の交付廃止」と「監理技術者講習の義務廃止」となったことも踏まえ、11月にスタートした国交省の技術者制度検討会でも、次回会合以降、厚労省の規則改正によって健康保険証から所属企業名が消える可能性を前提にした議論をせざるを得ないのは確実となっている。
地方自治体工事でも技術者の専任配置について、健康保険証による本人確認が一般的になっており、国交省の技術者制度検討会の議論の行方について、地方自治体と地方業界は今まで以上に注視する必要がありそうだ。
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