改正PFI法成立 / 建設工業新聞

 国土交通省は、民間資金を活用するPPP・PFI事業の案件形成に本格着手する。24日に改正PFI法が成立したのを受け、自治体や民間企業などから具体的なプロジェクトを近く公募する計画。有識者委員会を設けて第三者の意見を取り入れ、案件の選定作業を進める。
 財政難の中、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた市街地の復興街づくりにPPP・PFI手法を積極的に活用するよう求める意見も出ており、今後の事業化に期待が集まっている。改正PFI法では、国や自治体が公共施設の所有権を持ったまま、施設の運営権を民間事業者が売却する「コンセッション方式」が新たに導入された。これまで以上に運営面で民間のノウハウが生かせる事業方式で、サービス内容や施設の利用料金などを利用者ニーズに合わせて民間が自由に設定できるため、より付加価値の高いサービスが提供できるようになるとみられている。
 このほか▽PFI対象施設(賃貸住宅、船舶・航空機、人工衛星など)の拡大▽民間主導で事業計画を提案▽民間事業者への公務員派遣-なども可能になった。国交省は11年度予算で、「官民連携による民間資金を最大限活用した成長戦略の推進」枠として7億12百万円を計上。PPP・PFI事業による社会資本の整備・管理に向けた制度設計と、事業の実施可能性調査や先進的取り組みの実証支援などを行い、具体的な案件形成を推進する。
 これまではサービス購入型がPPP・PFI事業の主流だったことから、コンセッション方式の新規導入のほか、独立採算型事業も拡大したい考え。内閣府や関係省庁と連携しながら、民間資金・ノウハウの積極活用を後押ししていく。

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