2011年度の第3次補正予算で「復興支援・住宅エコポイント」が創設されたが、前回の「住宅エコポイント」もまだポイント申請の期間中だ。それだけに、新旧エコポイントの違いに戸惑う読者も多いのではないだろうか。それぞれのポイント対象となる工事や発行ポイント数、新旧の重複利用などについて、国土交通省住宅生産課課長補佐の田中政幸さんに聞いた。
ここでは、「住宅エコポイント」を「旧エコポイント」、「復興支援・住宅エコポイント」を「新エコポイント」と呼ぶ。
対象となる工事期間
Q:2011年9月にエコ住宅の新築を着工。新エコポイントの対象になる?
A:新エコポイントの対象にはならない。
新築の場合、新エコポイントの対象は11年10月21日着工分から。旧エコポイント終了後の11年8月1日から同10月20日までに着工したものは対象外だ。
A:ポイント申請の状況次第であり得る。
新エコポイントも旧エコポイントと同様に、申請の状況によっては対象期間が前倒しされることもあり得る。
対象となる住宅
Q:旧エコポイントでエコ住宅を新築し、30万ポイントを取得した。今回、同じ家を断熱リフォームしたら、新エコポイントの対象になる?
A:新築で旧エコポイントを取得済みなら対象外。
旧エコポイントを取得したエコ住宅に新たにエコリフォームを施しても、新エコポイントの対象にはならない。
A:新旧合計30万まで取得可。
旧エコポイントを取得していても、発行ポイントが上限に達していなければ対象になる。新旧合計で上限は30万ポイントだ。なお、エコリフォームに加えて耐震改修を行った場合は、この上限とは別に15万ポイントが発行される。
A:同じ家の取得上限は新旧合計30万ポイントまで。
旧エコポイントで上限まで取得した場合は、新たに工事をしても新エコポイントの対象にはならない。ただし、買い替えて別の家をリフォームした場合は新エコポイントの対象になる。
A:違う家なら対象になる。
旧エコポイントでリフォームの上限30万ポイントまで取得していても、新たにエコ住宅を建てれば新エコポイントの15万ポイント(被災地以外の場合。被災地は30万ポイント)が発行される。
対象となる工事
Q:旧エコポイントでエコリフォームを行い、30万ポイントを取得済み。新エコポイントで加算されることになった耐震改修を行えば、新たにポイントはもらえるか?
A:耐震改修単独は対象外。
耐震改修は、エコリフォームと同時に行った場合のみポイントが発行される。
A:断熱改修と同時でなければ対象外。
旧エコポイントでも新エコポイントでも、「窓の断熱改修」または「外壁、屋根・天井、床の断熱改修」を行うことが大前提だ(上図)。たとえ旧エコポイントで既にこれらの必須工事を実施していたとしても、新エコポイントの対象となるためには、改めて必須の工事のいずれかを行わなければならない。必須の工事と併せて設置する場合であれば、太陽熱利用システムも対象になる。 発行されるポイント
Q:被災地に住んでいた人が、被災後に、被災地以外の場所に移転してエコ住宅を新築する場合も、15万ポイントしかもらえない?
A:被災地以外の新築は15万ポイント。
エコ住宅の新築は、被災地が30万ポイント、被災地以外が15万ポイント。新エコポイントの目的は個々の被災者支援ではなく、被災地の復興支援にあるので、被災者であっても被災地以外に新築する場合は15万ポイントになる。エコリフォームについては、立地を問わず上限は一律30万ポイントだ。
A:国交省のホームページで。
国土交通省のホームページでは、「報道発表資料」に毎月「お知らせ」として住宅エコポイントの実施状況を掲載している。11年11月末時点の累計は、新築が約1697億円分、リフォームが約341億円分、合計約2038億円分に相当するポイントが発行されており、予算2442億円に対して約83%に達している。
A:新旧のポイントは合算して使えない。
旧エコポイントと新エコポイントでは交換対象となる商品が異なるので、ポイントを合算して使うことはできない。新旧両方のポイントを取得した場合でも、旧エコポイントは旧エコポイントの対象商品、新エコポイントは新エコポイントの対象商品に、それぞれ交換しなければならない。
A:ポイントの半分以上は復興支援商品に。
新エコポイントは、名称が「復興支援・住宅エコポイント」となっているとおり、その目的には被災地の復興支援が含まれる。そのため、取得ポイントの半分までは即時交換やエコ商品に交換できるが、半分以上は被災地の特産品や義援金などの復興支援商品に交換しなければならない。もちろん全部を復興支援商品に交換してもよい。
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