景気対策として公共事業を活用、東京都の10年度予算 / 日経コンストラクション

東京都は1月22日、2010年度の予算原案を発表した。一般歳出は前年度比1.9%増の4兆6289億円で、都市基盤の整備などに向けた投資的経費には前年度比3.7%増の8055億円を充てる。投資的経費の増加は2005年度以降、6年連続。

 「東京の現在と将来に向けて、都がなすべき役割を積極的に果たす」(石原慎太郎東京都知事)として、維持管理や改修、都市インフラの整備にも取り組む。雇用を創出し、経済の成長を促進することなどがねらいだ。

 景気対策として、維持管理などの公共事業を積極的に活用する。道路や河川などの都市基盤の維持管理に400億円、教育施設や医療施設などの改修に836億円の合計1236億円を計上。比較的小規模な工事になるよう発注し、下位のランクで登録している中小建設会社などの支援や雇用の創出を図る。

 将来に向けて、都市インフラの整備にも取り組む。東京外かく環状道路の整備に77億円、首都高速道路の整備に453億円、鉄道の連続立体交差化の推進に504億円、羽田空港の再拡張事業に147億円をそれぞれ充てる。都市の機能を向上し、経済の活力を増進するのがねらいだ。

 さらに、豊洲に建設を予定する中央卸売市場の整備に向けて1280億円を計上した。新市場の建設予定地では基準を上回る土壌の汚染が見つかっており、土壌汚染対策工事の実施設計に取り組む。このほか、本体工事の基本設計や用地取得などにも当たる。

 1月22日の記者会見で石原知事は、「新市場の整備には土壌汚染がきれいになることが大前提。土壌汚染対策の有効性を確認する実験を近く開始する。有効性を確認したうえ、速やかに新市場の整備事業に着手する」と説明。「築地市場の老朽化が進む中で、新市場の整備は一刻も早く実現しなくてはならない課題。議会でしっかりと議論する」(石原知事)と必要性を強調した。

 予算原案は、2月の東京都議会で審議。議会の承認を受けて2010年度の当初予算とする予定だ。

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