日建連 暴力団排除条項のひな型策定 / 建設工業

日本建設業団体連合会(日建連、野村哲也会長)は、建設業界からの暴力団など反社会的勢力の排除を徹底するため、下請業者との契約などの際に定めるべき事項などを例示した「暴力団排除条項の参考例(ひな型)」を策定した。下請業者が反社会的勢力と関係していた場合には直ちに契約を解除することや、反社会的勢力からの要求は断固拒否し、不当な要求を受けた場合は元請への報告や捜査機関への通報に協力するよう求めることを規定。契約の時点から将来にわたって反社会的勢力と関係しないことを確約する覚書を交わすことも盛り込んだ。日建連は、参考例を広く周知し、その趣旨を徹底するため12日に東京都内で説明会を開く。

 参考例では、契約に盛り込むべき項目として、▽契約解除条項▽通報・報告条項▽表明・確約条項-の三つを挙げた。契約解除条項では、下請企業の代表者や実質的な経営者などが、反社会的勢力に属していたり、反社会的勢力に資金提供していたりする場合には、催告なしで契約を解除できることを規定。契約解除によって下請側に損害が生じても、賠償・補償は不要であることも定めている。

 通報・報告条項では、反社会的勢力の不当な要求や工事への妨害に対し、元請と下請がともに拒否することに加え、下請に対して不当な介入などがあった場合には元請に報告することなどを求め、これに従わない下請企業に対しては、催告なしに契約を解除できる規定も盛り込んだ。さらに、表明・確約条項を設けることにより、下請企業が反社会的勢力に該当しておらず、実質的な経営にも反社会的勢力が関与していないことを確約させるようにする。

 日建連が会員企業を対象に行ったアンケートによると、下請との契約に何らかの形で暴力団排除条項を導入していた企業は6割にとどまったが、未導入企業もその必要性を認識していたという。日建連は、今回の参考例の策定によって排除条項の導入を各社に促す考えだ。さらに、警察との連携強化や、反社会的勢力の情報に関するデータベースの構築も検討する

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