将来の発注標準制度のあるべき姿を模索する国土交通省。見直し案は、その過程の一段階にあることが、「直轄事業における公共事業の品質確保の促進に関する懇談会企業評価部会」や国交省資料からは読み取れる。直轄工事の市場が2分化の方向に進みつつある中で、企業自らが競争に参加する市場を選択する仕組みとすれば、「発注標準」という制度そのものの必要性に疑問符が付く。
だが、国交省が部会に提示した資料では、契約を履行する能力を判断するための材料としての発注標準制度の役割が低下したことは認めつつも、「企業の能力ごとに発注量に合ったバランスの良い参加機会を提供するための役割は存続している」とした。なかでも特に、「地域企業の受注機会の確保を図る」ため、発注標準制度が必要であるという姿勢を示している。
部会の委員である小澤一雅東大大学院工学系研究科教授も、「発注者の観点からすれば、この企業に仕事を頼めば安心して任せられる、ということを社会的に担保する仕組みは持っておかなければならない。それを支える何らかの分類や資格、評価といった仕組みは必要だろう」と発注標準のような仕組みの必要性を説明する。
地域企業の受注機会確保を考えれば、発注標準制度が必要になる。市場が縮小する中で、企業が一定程度、市場を選択できる仕組みを提案する声もある。
そもそも市場で競争する建設会社には、地域への貢献や災害対応の必要性、品質の確保などさまざまな面での役割が求められており、企業の評価と工事規模だけで市場を区分すること自体が極めて困難になっているのだ。
こうした建設会社の多面性・多機能性を踏まえた制度の根本的な見直しが求められていると言える。
ただ、「発注標準はこれまでのマーケットを仕切る仕組みとして業界に広く受け入れられてきた。急激に変化できず、徐々に変えざるを得ない」との思いもある。09・10年度競争参加資格審査で経過措置を活用した企業の半数以上は、その理由として「発注量の減少」「受注機会の減少」「営業体制の不適用」を挙げており、発注者も受注者もいまはまだ新しい制度に対応できる状況ではない。
こうした状況を踏まえつつ、国交省は「段階的昇級制度」を提示したと見られる。段階的昇級制度は、下位等級企業のうち、技術評価点の高い企業が上位等級に参加できる「繰り上がり」を拡大し、各企業が今後の経営方針や営業方針を検討した上で、さらに技術力を向上させて受注量を増加させれば、上位等級に昇級できる仕組みを考えている。
企業が上位等級での参加を目指し、技術力向上に取り組めば、それが適正に評価されて結果的に受注機会確保や上位等級への昇級につながり、上位市場で活躍できるようになることを目指している。
企業側だけでなく、国交省も発注量の問題に対応しなければならない。等級区分の設定に当たって発注量や企業の経営力・技術力を総合的に勘案することを再確認している。3月には11年度の発注標準を決定するが、国交省は発注標準制度の今後の方向性を見据えた経過措置の必要性も認識している。
制度の根本的見直しに向けた模索。これが11年度の発注標準制度見直し案であり、受発注者ともに、将来にわたって今の制度であり続けることはできないという意識を持つことが求められている。
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