建設業者の社会保険加入を促進する官民の取り組みが動きだした。
行政と建設業団体、民間工事発注者などでつくる「社会保険未加入対策推進協議会」の初会合が29日開かれ、国土交通省は、参加した73の建設業団体に対し、▽社会保険加入促進計画の作成▽法定福利費の標準見積もり案の明示▽地方推進協議会の設置-を要請した。近く関係団体に法定福利費の標準見積もり案を作成するよう通知を出す。10月に開く2回目の会合で各団体から保険加入促進計画や法定福利費の標準見積もり案が報告される。
社会保険加入促進計画は、各団体が保険加入促進策を自主的に定めるもので、作成は任意。国交省は推進協の会合で作成のための枠組みを提示。各団体に保険加入実態を把握した上で、5年間の定量的な推進目標などを明示するよう求めた。法定福利費の標準見積もり案は、法定福利費の内訳を明示する標準見積書とその作成手順書で構成する。各専門工事業団体が作成。元請企業などに提示し、法定福利費が元請企業から下請企業を経由して個々の技能労働者に適正に支払われる仕組みを目指す。
現在、専門工事業者が建設工事を受注する際の見積もりは1トン当たりや1平方メートル当たりの単価で行われているのが主流で、この中で法定福利費がどのように扱われているのかが不明確。標準見積もり案を作成することで、法定福利費の内訳を業種ごとに明確にする。国交省は作成に当たり、標準見積書の様式や単価に含まれる法定福利費の切り出し方、建設・土木の別や下請の次数に応じた設定方法、個別事業者が様式に沿って記入する際の内訳の算出方法などに留意するよう専門工事業団体に説明。会合に参加した73団体に対し、作成要請を近く正式に通知する。次回会合までに作成し、11月以降に順次試行を開始。来年度から本格的に運用してもらう。
地方の推進協議会は、6~8月に原則として地方のブロック単位で設置。地域の実情を勘案し、都道府県単位の設置も認める。構成員は建設業団体の地方支部や国の行政機関の地方局、都道府県などとした。
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