複層ガラスと一体化し窓フレームをスリムに / 日経BP

トステムは8月18日、住宅用窓で複層ガラスとフレームを一体化する新技術を開発したと発表した。名称は「スマートシナジーシステム」で、従来の窓に比べてスリムなフレームが可能となる。特許出願中。製品採用第一弾として、アルミと樹脂のハイブリッドウィンドウ「サーモスH」シリーズを10月から順次発売する。

グレージングチャンネルに複層ガラスをはめ込んだ専用グレチャン付複層ガラスを、専用フレームに取り付ける(資料:トステム)

グレージングチャンネルに複層ガラスをはめ込んだ専用グレチャン付複層ガラスを、専用フレームに取り付ける(資料:トステム)

 

「サーモスH」引き違い窓の施工例(風景は合成)。室内側のフレームを隠すフレームインタイプ(写真:トステム)

「サーモスH」引き違い窓の施工例(風景は合成)。室内側のフレームを隠すフレームインタイプ(写真:トステム)

 

 スマートシナジーシステムは、複層ガラスをグレージングチャンネル(グレチャン、ガラス固定用ゴム)にはめ込んだ「専用グレチャン付き複層ガラス」と、これを受ける専用フレームで構成する。従来は、複層ガラス、フレーム、グレチャンがそれぞれ別製品で、これらを組み立てていた。

 ガラスとフレームを最初から一体化することで、強度、性能、品質を保証しながらフレームのスリム化が可能となった。フレーム単体で強度を持たせる必要から分厚くなりがちだった従来製品に対し、新技術ではフレームの幅が半分の26mmで済み、すっきりしたデザインになった。

 アルミ素材よりも断熱性に優れる複層ガラスの面積が広くなることで、窓全体の断熱性も向上する。最も熱が逃げやすいガラスとフレームの境界からの熱流出を抑える効果もある。

 サーモスHは、標準で高断熱複層ガラス(Low-E複層ガラス)を採用。断熱性は従来品比2ランクアップの熱貫流率2.33W/(m2・K)(H-5等級)相当。10月から東北地方で先行発売。順次全国展開する。参考価格は、幅1690×1170mmの単体引き違い窓で8万1690円(高断熱複層ガラス込み、組立費・運搬費など別)。

 2011年春には、第2弾としてアルミ構造で一般複層ガラスを標準採用した「サーモスS」シリーズを発売する予定だ。

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