長期優良住宅に挑む工務店 / 日経BP

2009年6月の長期優良住宅法(長期優良住宅の普及の促進に関する法律)施行から1年以上が過ぎて、長期優良住宅の認定戸数は増加傾向にある。つくり手の負担は通常の住宅より重いが、人手が少ない住宅会社でも手掛けているところはある。その狙いや苦労の実態に迫った。


 09年6月以降、新設住宅着工戸数は下の棒グラフが示すように一進一退の様相だ。こうしたなか、長期優良住宅の認定戸数は戸建てを中心に増加している。

・新設住宅着工戸数と長期優良住宅(戸建て)の認定戸数の推移

(資料:国土交通省のデータを基に日経ホームビルダーが作成)

 

 2010年7月の戸建ての認定戸数は9516戸。ちなみに同月、戸建てが大部分を占める持ち家と、分譲戸建て住宅の着工戸数の合計は3万6801戸だった。したがって戸建ての長期優良住宅の戸数は、新築戸建て住宅全体の4分の1程度を占めていると推測できる。

 補助金や優遇税制などの追い風を受けた普及ではあるが、縮小していく新築市場に生き残るうえで、いずれ長期優良が必要条件になると予測して取り組んでいる住宅会社も少なくない。

 長期優良住宅は戸建ての場合、耐震性、省エネルギー対策、劣化対策、維持管理対策の4項目に関して一定以上の性能を満たす必要がある。設計や仕様で通常よりも綿密な検討が必要になるほか、書類作成などの手間もかかる。

 長期優良住宅のつくり手の内訳について網羅的なデータはないが、大手住宅会社が中心であることをうかがわせる情報はある(下の帯グラフ)。そうしたなか、少ない人手で果敢に長期優良に取り組んでいる中小の住宅会社の実務者に、狙いや現時点での悩みなどを聞いてみた。

長期優良住宅市場のイメージ

長期優良住宅は一般に登録住宅性能評価機関の技術的審査を経て行政庁の認定を受ける。ある大手機関によると、審査の申請者は社数でみると約98%が地域の住宅会社などで、残りの約2%が全国展開の大手。しかし審査する住宅の戸数でみると、約92%を大手の物件が占めているという
 
              低い消費者の認知度
 
 社員数5人の住まいリング(長野県佐久市)の社長、岡村智恵美さんが長期優良に取り組むと決めたのは、条件となる性能のうち、特に省エネ対策に注目してのことだという。営業エリアの大部分が寒冷で、省エネルギー法でいうII地域に属している。そこで高レベルの温熱環境を実現して公的な認定を受ければ、高性能な住宅をつくれる会社としてブランドを確立できると考えた。

  社員数が10人の円徳建工(神奈川県平塚市)も、地域で一番というブランドを確立させるために長期優良を手掛けることにした。「競合他社に勝つ切り札にしたい」と同社取締役で住宅事業部部長の小澤睦さんは話す。

 小澤さんによると、長期優良に取り組むと決めたことで住宅会社として目指す目標が明確になり、下請け各社との一体感が強まる効果が生まれているという。しかし肝心の顧客の反応はまだ鈍く、長期優良住宅の価値をなかなか理解してくれない悩みはあるそうだ。

 長期優良住宅は、特定行政庁か限定特定行政庁から認定を受ける。しかし、長期優良仕様と自称するだけで実際には認定を受けていない住宅もつくられている。消費者は両者の違いを理解していない可能性がある。

 住まいリングの岡村さんによると、競合するある住宅会社は、長期優良に対応していないローコスト住宅と、対応している住宅の両方を手掛けている。岡村さんは、この会社に取られた見込み客が2組ほどあるという。「ローコストで長期優良住宅を建てられると誤解したのではないか」。

                      行政への対応にも苦慮

 前出の円徳建工も、実は長期優良の認定を実際に受けて完成させた物件がまだない。「認定を取れる仕様にしてあるが、これまで工期などの関係でなかなか取れなかった」と小澤さんは話す。行政庁ごとに認定手続きの期間にばらつきがあり、工期に影響する恐れがあることも、長期優良を手掛ける住宅会社にとって悩みの種だ。 性能評価機関が済ませたはずの技術的審査の内容を疑い、調べ直したり突き返したりする行政庁もあるという。行政庁に認定を申請してから認定が下りるまでにかかった日数を住宅会社に聞くと、「3~4日」「2週間」「1カ月」など、まさにばらばらだった。

 2010年5月までは認定が下りるまで着工できなかった。国土交通省は制度を変えて、着工前に長期優良の認定を申請済みならば、認定を受けるのは施工中でもよいことにした。この規制緩和が浸透すれば、工期の関係で認定申請を断念するケースは減りそうだ。

 それでも、認定申請のために書類作成の手間がかかる点は変わらない。「大手住宅会社の多くは自社の申請作業をサポートする専門部署を設けている。その余裕がない住宅会社はサポート事業を行う会社や業界団体など、何らかの外部支援を受けて申請しているようだ。小さな会社が全くの独力で長期優良の認定を取るのは困難ではないか」と、大手性能評価機関の担当役員は話している。

長期優良住宅の認定申請の流れ

(資料:日経ホームビルダー)

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