建設関連業3業種(測量、地質調査、建設コンサルタント)の年間受注総額が、ピーク時に比べて4~6割も減少していることが国土交通省が調べたデータで分かった。一方、業者数の減少幅は最大でも1割程度にとどまる。建設業と同様に関連業でも、供給過剰によって競争が激化していることをうかがわせている。
国交省が先にまとめた建設関連業の受注金額(総額)調査の結果から、各業種ごとに集計データがある年度の最近の受注総額をピーク時の受注総額と比較した。それによると、測量業はピークの02年度が2203億円だったのに対し、08年度は967億円と56・1%減少。地質調査業は95年度が1960億円とピークで、09年度は754億円と61・5%減った。建設コンサルタント業はピークだった96年度の8526億円に対し、08年度は4837億円と43・3%減少している。
各業種の受注総額を発注者別に分けると、いずれも2桁の大幅減で、地質調査業のように地方自治体からの受注額が7割強も落ち込んだ業種もある。受注総額が大きく落ち込む一方で、業者数の減少率の低さが目立つ。3業種の09年度の登録業者数をピーク時と比較すると、測量業は1万2974業者で12・0%減、地質調査業は1286業者で7・5%減、建設コンサルタント業は3952業者で6・2%減と、いずれも減少は小幅。業務発注量の減少に業者数の減少が追い付かず、需給バランスが大きく崩れているとみられる。
売上高に占める経常利益の割合を示す売上高経常利益率を見ると、測量業(07年度)は資本金3000万円未満の小規模会社はマイナスの状態。建設コンサルタント(09年度)も、中小企業690社(資本金5000万円未満638社、5000万円以上50社)の過半数を利益率1%未満の会社が占めた。少なくなる業務をめぐって競争が激化し、小さな企業ほど利益を出すのが難しくなっているようだ。仕事の場を増やすために3業種とも専業が減り、兼業へと業態を変える業者が増加する傾向にある。これも過当競争に拍車をかけているといえそうだ。
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