災害のヘッドクオーター(指令本部)は、大手前地区に集中させた方が良い」。防災拠点の在り方などについて、専門家から助言を受けるために大阪府が設置した「咲洲庁舎の安全性と防災拠点のあり方等に関する専門家会議」で、24日開催した第1回から、府の計画に対して異論が出た。
専門家会議は、①咲洲庁舎の安全性等②大手前の庁舎の耐震性能等③防災拠点の在り方④咲洲および大手前の防災機能に関する事項-に関して専門家の意見を聞く。橋下徹府知事は、9月議会をめどに府庁舎の咲洲移転問題と、現本庁舎の耐震問題について方針を示す考えで、この会議での意見が大きな影響力を持つと見られる。国の中央防災会議で専門調査会座長を務める河田惠昭関西大教授が座長に就任した。
府は、咲洲庁舎(旧WTC、大阪市住之江区)と大手前地区(大阪市中央区)ある新別館北館の2カ所に防災情報センターを設置する計画だが、河田座長は、「災害対応の拠点は二つに分けないで集中させた方が良い。置くとしたら、咲洲ではなく大手前」と主張。「咲洲は、周辺のライフラインが液状化などで破損し、孤立する可能性がある」とし、防災拠点にふさわしくないとの意見を述べた。
咲洲庁舎の長周期地震動対策で府は、東日本大震災の発生を踏まえて、従来の計画にオイルダンパーの増設などを追加し、津波に対しても建物開口部などり止水対策を講じることを説明。 これに対して委員からは「おおむね妥当」との評価を得られたが、「津波に関するシミュレーションを」「護岸の対策を」「埋め立て土の解析を」などの意見が出た。
本庁舎の耐震に関して河田座長は、「庁舎の本丸をキチッとやることで耐震をしっかりやるという表明になる」と語った。
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