2工種で等級区分変更 / 建設工業新聞

国土交通省は、11~12年度の直轄工事の発注に向け、競争参加資格審査と発注標準(等級別登録)を見直す。「アスファルト舗装(As舗装)」と「鋼橋上部」の2工種で最下位等級と直近上位等級の統合を行えるようにし、「一般土木」「As舗装」「鋼橋上部」「造園」の4工種では、受注や総合評価への参加実績がない技術評価点ゼロの企業は総合点数にかかわらず最下位等級に格付けする。競争環境が激変する企業もあることを考慮し、昇格または降格する企業に一定の配慮を加える経過措置も講じる一方、技術力に優れた企業向けに下位等級から上位等級への参加機会を広げる。
 発注標準は、過度の競争を避けるために各企業の能力などに応じた等級区分ごとに、契約できる工事金額の規模を定めたもの。国交省は新たな等級区分の設定に当たり、発注量と等級区分のバランスが取れていなかったAs舗装と鋼橋上部の2工種で、現行の最下位等級を直近の上位等級に統合できるようにする。この2工種の等級区分の見直しは、各地方整備局が登録企業数や発注予定の工事量などを勘案して決める。一般土木の等級区分の見直しは引き続き検討する。
 今回、As舗装については北陸整備局がC等級をB等級に統合。東北と中国の2整備局が既に同様の統合を行っており、この3整備局のAs舗装の等級区分はA、Bの2段階になる。鋼橋上部については今回、東北、北陸、近畿、九州の4整備局がB等級をA等級に統合。この4整備局の鋼橋上部の等級区分はA等級だけとなる。
 技術評価点がゼロの企業の取り扱いについては、上位等級から降格する企業が5%程度と少ない一般土木、As舗装、鋼橋上部、造園の4工種では総合点数にかかわらず最下位等級とする。等級間の移動に伴い競争環境が大きく変わることに配慮し、最下位等級に降格する企業のうち、技術評価点がゼロでない企業と、上位等級に昇級する企業の中で等級区分の変更を望まない場合には従前の等級(09・10年度登録)にとどまることを認める経過措置を講じる。経過措置適用申請書は23~31日に受け付ける。

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