震災後の新基準!「中古住宅の選び方」 / 日経BP

―― 東日本大震災が住宅市場に与えた直接的な影響は。

長嶋 震災前、不動産市場は上り調子にあるとみられていました。低金利や住宅エコポイントなどの後押しによって、2008年秋のリーマン・ショック以降の落ち込みから回復する兆しがありました。デベロッパー各社は、いよいよ本腰を入れてファミリーマンション市場に攻勢を掛けようとしていたはずです。それが、震災によってストップを掛けられる格好になってしまいました。

 震災は、住宅の価値基準を大きく変えるでしょう。これまで人気が高かったタワーマンションやオール電化住宅が、これからどのように評価されるか難しいところです。また、被災した住宅に対して政府がどんな補償を行うかも、今後の動向を左右するでしょう。

―― 現時点で予想できることはありますか。

長嶋 住宅を選ぶ基準として、災害対応力が大きくクローズアップされることは間違いありません。具体的には、土地の高低差、地盤、ハザードマップなどです。

 土地の高低差は、絶対的な高さ、すなわち標高のほかに、周辺地域における相対的な高さも注意点です。全体としては高台のエリアでも、周囲より相対的に低いとゲリラ豪雨のときに浸水する危険が考えられるからです。

 また、今回の震災で、首都圏周辺では液状化が注目されました。特に浦安については大きく報道されましたが、液状化が起きるのは沿岸部に限りません。これまで液状化の危険度は土地価格に反映されていませんでしたが、今後は値段に直結するようになるかもしれません。

 液状化の危険度は、不動産契約の際に宅地建物取引主任者が買い手に開示するよう義務づけられている「重要事項説明」の対象になっていません。土地を買うときには、買う人が自ら積極的に調査する必要があります。

―― 建物に関してはどうでしょう。

長嶋 耐震性能を重視する人が増えるでしょう。断熱性や省エネ性など、建物の基本的な性能が見直されることになります。基本性能さえしっかりしていれば、機械的な設備に頼らなくても、ある程度の快適性が保てるからです。

 ただ、新築ならこうした基本性能は確保しやすいのですが、中古の場合、かなり大がかりなリフォームが必要になります。今、国もリフォームの支援に乗り出しているので、これからリフォームしやすい環境が整うことに期待しています。耐震化と省エネ化のリフォームを併せて推進すれば、災害対策としても意義が大きいでしょう。

―― さくら事務所では、買い主に代わって不動産の品質をチェックする「ホームインスペクション」を行っていますが、近年、消費者の反応に変化を感じていますか。

長嶋 創業して12年になりますが、ここ2年ほど、問い合わせ件数が急増しています。以前は、一部の勉強熱心な人が利用してくださっているという印象でしたが、最近は「知人のすすめで」とホームインスペクションが何かをよく知らないままに問い合わせてくる人も少なくありません。それだけ、一般化が進んだとみていいのではないでしょうか。

 特に震災後は、不動産契約の件数が激減したにもかかわらず、ホームインスペクションの依頼件数は、特に週末などは引き受けきれないほどに増えています。買おうとしている住宅が震災によってダメージを受けていないかどうかチェックしてほしいという、具体的な要望も多いですね。

―― 震災後も、消費者の住宅購入意欲は衰えていないということでしょうか。

長嶋 品質の不安がなければ買いたい、という人はいます。当面は買い控える人も少なくないでしょうが、必ずしも“買わない”と決めたわけではなく、先に述べた災害対応力などを見直すために時間を置く人も多いのでは。また、既に、より災害対応力の高い住宅を求めて買い替えた、という例も聞いています。

―― 今後の不動産価格動向をどのように見ていますか。

長嶋 震災の影響で資材不足が起きているので、建築費は値上がりするでしょう。けれども、その値上がり分を分譲価格に反映させると売りにくくなりますから、デベロッパーとしては用地の仕入れコストを抑えようとするはず。そうすると、全体として地価は下落方向に向かうことになります。

 一方で、帰宅困難者や計画停電の影響で、都心部はこれまで以上に人気が高くなるでしょう。一部の都心部の地価はむしろ短期的には上がるケースが出るかもしれません。今後の地価動向はどこも一様というわけにはいかないでしょう。

―― これから家を買う人にアドバイスはありますか。

長嶋 現在の家賃と購入後のローンの比較だけで購入に踏み切る人が少なくありませんが、それは一時的なことです。将来を見据えて、いつか売ったり買ったりするときのことを想像しながら選んでいただきたい。

 これからはどんどん人口が減り、一家族当たりの人数も減ります。郊外は高齢化が進むでしょうし、中心部に人口を集中させる「コンパクトシティ」構想を練る自治体も増えています。こうした状況と、自分たちの将来像を重ねれば、おのずと、調べるべきこと、重視すべきことがみえてくることでしょう。

 たとえ売るつもりがないとしても、安心して長く住まえることと資産性は同義です。災害対応力を含む立地条件を、納得いくまで調べて判断することをお勧めします。

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