2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、顧客が抱く家づくりの考え方にどのような変化があったのか──。日経ホームビルダーが震災直後の2011年4月に実施した調査結果では、家づくりのプロを選ぶ際に「重視点が変わった」と答えた人の比率は約60%だった。その後の変化はどうだろうか。
日経ホームビルダーでは、2011年12月に、3年以内に新築を望んでいる顧客500人に、顧客の今の心情を尋ねるアンケートを実施した。4回に分けて調査結果を紹介する。第2回目は、震災以降の家づくり感を分析。震災の影響について「影響があった」と回答した人の比率は47.2%で、その内容は「家づくりに対する考え方を見直した」という人が半数を上回っていることがわかった(上のグラフを参照)。
震災対応と技術力の高さに魅力
震災の影響は残っているものの、変化も見られる。例えば、家づくりの重要な条件を3つ答えてもらい、それぞれについて震災直後と今を比べて重視度の低下具合を比較した。約40%の顧客が「耐震性能が高い」ことを重視している半面、重視度合いは最も下がっていた。この結果から、震災直後は耐震性能に対する不安が一時的に跳ね上がったが、今は落ち着いて耐震性について顧客が考えるようになったといえそうだ。
とはいえ、顧客の震災に強い家づくりに対する考え方は根強く存在する。建築の依頼先を選ぶ際に重視する2大ポイントは「家づくりに関する技術力の高さ」と「住宅の地震対策に関する技術に強い」。この項目は、「震災直後に比べて重視度が高まった」と答える顧客が多い。震災後に導入意識が強まった設備では、「太陽光発電」(55.0%)、「LED照明」(32.4%)、「住宅用の制震システムや免震システム」(31.4%)といった項目が上位に挙がった。
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