コンプライアンス(法令順守)への関心が鳩山政権発足によって今後急速に高まる可能性が出てきた。鳩山政権では、供給側(企業)ではなく需要側(労働者・個人)に政策の力点を移す方針で、その過程で、下請けいじめや優越的地位の乱用などの視点から中小企業保護をより強く打ち出す可能性が高いことが理由だ。建設業界は2005年度以降、脱談合と独占禁止法順守を柱にさまざまな関連法規を含めたコンプライアンスへの取り組みを展開してきた。ただ現政権が今後、下請けなど中小企業保護を目的とした政策を進めれば、重層下請構造である建設業界にとって、これまでの狭義ではなく広義のコンプライアンスを視野にした取り組みが求められる可能性も出てきそうだ。
年明けに開いた経済界との会合で、公正取引委員会の政務三役の一人である近藤洋介経済産業省政務官は、「過度な介入をするつもりはない」と前置きしながらも、民主党が公約に掲げていた「中小企業いじめ防止法制定」を念頭に、「公取委がつくる優越的地位の乱用ガイドラインを見て検討したい」と言い切った。
18日から開かれる通常国会に提出される独禁法改正法案は、▽審判制度の廃止▽審判廃止に伴う制度骨格▽行政調査手続きにおける手続き保証のあり方検討――の3点が基本骨子。
しかし、公取委にとって大幅な変更となる独禁法改正案をめぐり、09年12月に近藤経産政務官らが出席した与党政策会議では、「公取委は中小零細に冷たい」「町の酒屋やガソリンスタンドが潰れる問題は、今回の改正でどうなるのか」など、中小零細企業保護に関心が集中していた。
また公取委はすでに、建設業界でも問題が指摘がされているダンピング(過度な安値受注)なども対象とした「不当廉売」適用の考え方を細かく明示したガイドラインの改定を09年末に公表している。
鳩山政権が中小企業や労働者保護色を強めていることに対し、大手企業からは「企業活動が萎縮しかねない」「行き過ぎには配慮すべき」など懸念の声があるものの、政策会議で現政権は「下請法を改正するか、新法にするかは今後検討したい」との考えを与党に表明している。このため、優越的地位の乱用をキーワードに、従来の民間商取引に新たな対応を求める可能性がある。
その場合、建設業界や個別企業がこれまで取り組んできた、独禁法や建設業法など建設関連法規順守に向けたコンプライアンスの徹底に加え、新たな取り組みを求められる場面も出てきそうだ。
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