建設業許可を取得したからには、コンプライアンス(法令順守)を徹底しましょう。

建設業法や独占禁止法(独禁法)などの
法律違反業者に対する罰則強化の動きが活発化しています。
建設業界や経済の疲弊で企業間の競争が激化する昨今ですが、
行政側が不良不適格業者の排除を最優先課題として取り組まれでいます。 
規制緩和でフェアな競争環境を整備する一方で、法律違反業者には厳しい処罰を下す。
これが行政側の狙いで、こうした動きは今後さらに加速される可能性が高いでしょう。
建設業を営むものはコンプライアンスの徹底がこれまで以上に求められています。

■建設業法違反

無許可で建設工事を請負ったとき (軽微な建設工事を請負う場合を除く)
虚偽または不正の事実に基づいて、建設業許可を受けたとき

→ 3年以下の懲役または300万円以下の罰金

■建設業業者の違反処分

法人の代表者、代理人、使用人、その他従業者に対して

罰金刑(建設業法 45条、46条)

→ 3年以下の懲役又は300万円以下の罰金 (情状により併科)
→ 6月以下の懲役又は50万円以下の罰金 (情状により併科)

法人に対して

建設業許可の取消し(建設業法 29条)
罰金刑(建設業法 48条)

→ 300万円以下の罰金や50万円以下の罰金

根拠法令 : 一部抜粋

第3条 (建設業許可) 
1項 建設業を営もうとするものは建設業許可を受けなければならない。

第8条 
1項:都道府県知事は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について
虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、
建設業許可をしてはならない。

第29条 (建設業許可の取消し)
1項:都道府県知事は、その建設業許可を受けた建設業者が次ぎに該当するときは、
当該建設業者の建設業許可を取り消さなければならない。
抜粋5号:不正の手段により建設業許可を受けた者。

不正の手段って?

1. 不正の手段とは建設業許可申請書及びその添付書類に虚偽の記載をしたり、
建設業許可の審査に関連する行政庁の検査等に対し虚偽の回答をしたりが含まれます。

2. 建設業許可や経営事項審査の虚偽申請等建設業法に規定する罰則が適用されます。
不正行為等については、告発をもって臨むなど、法の厳正な運用に努めることとする。

3. 不正行為等に対する監督処分に係る調査等は、
原則として当該不正行為等があったときから3年以内に行うものとする。

第45条
1項:次に該当する場合は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金 (情状により併科)
 1号 建設業許可を受けないで建設業を営んだもの(軽微な工事は除く)。
 3号 虚偽又は不正の事実に基づいて建設業許可を得たもの。 
第46条 
1項:次に該当する場合は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金 
     情状により併科)に処する。
1号 建設業許可申請書、添付書類に虚偽の記載をしてこれを提出したもの
2号 各種変更届、報告をしなかったもの、又は虚偽の記載をしてこれを提出したもの。
4号 経営事項審査申請書の書類に偽造の記載をして提出したもの。
第48条
1項:法人の代表者、代理人、使用人、その他従業者が違反行為をしたときは、
その行為者を罰するほか、その法人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

建設業法違反の責任義務の構成
行政上の処分: 営業停止、建設業許可の取消し、営業の禁止
第28条 (指示及び営業の停止)
第29条 (建設業許可の取消し)
第29条の4 (営業の禁止)
刑法上の罰則:刑罰(罰金、懲役)、過料
第45条、46条、48条
民事上の責任:不法行為に対する第三者への損害賠償

■元請業者に対する違反処分

法人に対して

指示処分 (建設業法 28条)
営業の停止 (建設業法 28条) 原則7日以上の営業停止
建設業許可の取消し (建設業法 29条)

法人の役員に対して

営業の禁止 (建設業法 29条の4)
営業の停止(28条)が適用されたとき、
停止期間と同じ期間、建設業許可の取消し(29条)が適用された場合は、
5年間は新たな建設業許可申請や営業を行なうことができません。

根拠法令 : 一部抜粋

第24条の6 (下請負人に対する特定建設業者の指導等) 抜粋
1項 元請人は下請負人が法律に違反しないよう、指導に努めるものとする。
2項 元請人は下請負人が法律に違反していると認めたときは、
事実を指摘して是正を求めるよう努めるものとする。
3項 元請人は下請負人が是正しないときは、
すみやかに都道府県知事に通報しなければならない。

第28条 (指示及び営業の停止) 
1項 都道府県知事は建設業許可を受けた建設業者が次ぎに該当する場合、
当該建設業者に?対して、必要な指示をすることができる。

6号 建設業者が、建設業許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結したとき。
3項 道府県知事は、建設業許可を受けた建設業者が上記に該当するとき

若しくは上記の必要な指示に従わないときは、一年以内の期間を定めて、
その営業の全部または一部の停止を命ずることができる。
6項 都道府県知事は、他の都道府県知事の建設業許可を受けた建設業者が、 
当該都道府県の区域内における営業に関し、上記1項6号に該当するとき
若しくは上記の必要な指示に従わないときは、一年以内の期間を定めて、
その営業の全部または一部の停止を命ずることができる。
7項 都道府県知事は、上記の指示をする場合において、特に必要があると認めるときは、
注文者に対しても、適当な措置をとるべきことを勧告することができる。

建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準
無許可業者等との下請契約してしまったら?
建設業法第3条第1項の規定に違反して同項の建設業許可を受けないで
建設業を営む者、営業停止処分を受けた者等と下請契約を締結した場合は
原則7日以上の営業停止となります。

第29条 (建設業許可の取消し)
1項 都道府県知事は、その建設業許可を受けた建設業者が次ぎに該当するときは、
当該建設業者の建設業許可を取り消さなければならない。
6号 建設業者が、建設業許可を受けないで建設業を営む者と
下請契約を締結したときに該当し、情状特に重い場合

第29条の4 (営業の禁止)
1項 都道府県知事が営業停止処分を命ずるときは、
その法人の営業停止期間と同じ期間、法人の役員全員及び処分事由に
相当の責任を有する者の営業の開始を禁止しなければならない。
2項 都道府県知事が営業許可を取消す時は、法人の役員全員及び処分事由に
相当の責任を有する者の営業の開始を5年間禁止しなければならない。

第30条 (不正事実の申告)
1項 違反の事実があるときは、その利害関係人は管轄の都道府県知事に対し、
その事実を申告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

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