都島原産「毛馬きゅうり」に舌鼓 / 京橋経済新聞

ウェーブ産経大阪事務局が企画する「五感で味わう!大阪まち歩きまち遊び」の一環で、「なにわ伝統野菜を、ゆかりの地で食べて観て学ぶ1、毛馬きゅうり編」が6月29日に開催された。主催は、地産地消の食文化の復活と普及を目指すNPO法人「浪速魚菜の会」(大阪市福島区、TEL 06-6469-7600)。

 まだまだ知られていない大阪の歴史ある伝統野菜を1年間かけて味わって知ってもらおうと開催する同イベント。1回目となる今回は、100年ほど前に姿を消したが近年復活を遂げた、都島区原産の「毛馬きゅうり」に焦点を当て、伝統野菜を味わうと同時に、その土地とのかかわりや歴史についても学べる企画も用意した。

 当日は、都島で由緒ある「櫻宮(さくらのみや)」の参拝からスタート。宮司・深瀬正尋さんが語る、都島や大川堤にまつわる実際の歴史や経緯に、興味深く耳を傾ける参加者の様子がうかがえた。その後は都島区民センターで「特製・毛馬きゅうりとなにわ伝統野菜の旬彩弁当」を食べながら、毛馬きゅうりの特徴や歴史、伝統野菜への取り組みなどを各分野の専門家が説明。午後からは近松門左衛門の名作「心中天網島」で知られる「大長寺」を拝観し、その後は希望者のみが「藤田邸」「造幣局」「大阪城」を巡った。

 当日は約70人が参加。守口から訪れた河村さんは「ウェーブ産経の案内でこのイベントを知った。伝統野菜の料理は、素材を生かす味付けがしっかりされていておいしかった。櫻宮神社で見た昔の地図に自分が通っていた小学校があり感激した。土地の歴史も学べるので楽しい」と感想を残した。浪速魚菜の会代表の笹井さんは「伝統野菜は30種近くあるが、地元の食材の豊かさを大阪でも広げていきたい。この1年で大阪の伝統的な味わいをたくさん賞味できるような催しにし、伝統野菜が地域活性につながっていけば」と期待を寄せる。

 次回は7月30日、「玉造黒門越瓜を味わう」をテーマに行う。

とれたての毛馬きゅうり。平成4年から毛馬きゅうり復活に向けての取り組みがはじまり、種を探し当て実際に栽培を開始したのが平成10年

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