窓の落下に注意喚起 / 日経BP

文部科学省は8月16日付で、既存の学校施設について引き違い窓などの障子が落下する事故に注意を促す文書を出した。日経アーキテクチュアの取材を機に、福岡市内の中学校で窓の落下事故が頻発していたことを把握した同省が、注意喚起に向けた行動を起こした。

 通知先は都道府県や政令市の教育委員会施設主管課や都道府県の私立学校施設主管課など。それぞれ、管轄する小学校や中学校、高校、大学などでの対応を求めている。

 同省は文書中で引き違い窓などは、外れ止めが正常に機能していない場合や無理な開閉で、障子の落下リスクが生じると指摘。落下によって児童に対する重大事故が発生する恐れがあると言及した。そのうえで、外れ止めの設置状況などを点検し、適切な維持管理に努めるよう求めた。

 文書では2009年12月から10年6月にかけての約6カ月間で、福岡の市立中学校で発生した4件の障子落下事故の概要と写真も紹介した。

 文部科学省施設企画課防災推進室の田中郁子・防災推進係長は、「まずはこの文書で、事故が発生している事実を知ってもらい、事故防止に役立ててほしい。過去に同種の事故があったかどうかを確認してもらうことなども期待する」と説明している。

文部科学省が出した文書の一部(資料:文部科学省)

文部科学省が出した文書の一部(資料:文部科学省)

 

福岡市立平尾中学校では、2009年12月に校舎3階の引き違い窓の障子が落下。下に止めてあった車に当たった(写真:福岡市)

福岡市立平尾中学校では、2009年12月に校舎3階の引き違い窓の障子が落下。下に止めてあった車に当たった(写真:福岡市)

 

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