名古屋市上下水道局が実施した下水道工事の入札で、参加した24JVがすべて最低制限価格と同額で入札した。くじ引きの結果、西松建設・昭建・シンキJVが8億430万円（税抜き、以下同じ）で落札した。
近年、受注競争の激化によって、入札価格が最低制限価格付近に張り付くケースが増えている。しかし、24者もの入札価格がすべて一致するケースは珍しい。名古屋市では予定価格を事前に公表しており、入札参加者が容易に最低制限価格を推測できたことが原因だ。
この案件は「前浜通雨水幹線下水道築造工事」。8月24日に入札を実施した。延長636.4mの区間を内径2mのシールド工法で、延長357.3mの区間を内径1.2mの推進工法で造る。予定価格は11億4900万円に設定した。
名古屋市では1月から、WTO（世界貿易機関）政府調達協定の対象となる26億3000万円以上の工事を除くすべての一般競争入札で、最低制限価格を設定している。
最低制限価格は、国の基準で算定した金額（直接工事費の95％と共通仮設費の90％、現場管理費の70％、一般管理費の30％の合計）か、平均入札価格の90％のうち、小さい方の価格とする。ただし、下限を予定価格の70％、上限を90％と定めている。
そのため、すべての入札参加者が、最低制限価格を予定価格の70％と見込み、それと同額で入札したと考えられる。
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