建設産業戦略会議 / 建設工業新聞

国土交通省が設置した有識者会議「建設産業戦略会議」(座長・大森文彦東洋大法学部教授)の2回目の会合が24日に開かれ、日本建設業団体連合会(日建連)、全国建設業協会(全建)、建設産業専門団体連合会(建専連)へのヒアリングが行われた。大手建設業、地域建設業、専門工事業という異なる立場からの意見を踏まえ、建設産業の再生方策について議論。1月6日の次回会合で、建設産業のあり方について基本方針をまとめ、政策の柱ごとに検討事項を提示する方針だ。
 同会議は、建設産業全体のあり方を抜本的に見直す目的で設置され、17日に初会合を開いた。委員は建設産業に詳しい7人の有識者で、限られた市場規模の下で建設産業のあり方を抜本的に見直すには、大手、中堅、中小建設業、専門工事業で利害がぶつかり合う可能性があるとして、業界関係者は加えていない。このため2回目の会合では業界団体からヒアリングを行った。日建連は、会員の大手ゼネコンも地域の経済・雇用に貢献してきた点を強調。全建は、地域建設業向けの公共事業量の確保や入札・契約方式見直しの必要性を訴えた。建専連は、ダンピング受注による下請業者へのしわ寄せの問題などを説明し、改善を求めた。3団体の意見を踏まえ、建設産業の再生方策について、予定時間を超える活発な議論が行われたという。
 1月6日の次回会合では、事務局の国交省が基本方針(案)を示す。基本方針(案)では、建設産業のあり方の総論を示した上でいくつかの柱を整理し、ブレークダウンした検討事項を示す考え。例えば、「地域建設業の重要性」であれば、それをどういう形で実現させるのか、検討事項を提示する。次回会合には、馬淵澄夫国交相も出席する方向で調整しており、同日中に基本方針を取りまとめたい考えだ。
 馬淵国交相は同会議について、日刊建設工業新聞社などのインタビューで、「建設産業は意味のある産業としてちゃんと残る。残すところに持っていくための節度ある市場メカニズム(の構築)に、われわれがどうお手伝いできるのか。業界にもしっかりものを言うし、業界の意見も聞きたい」と強調していた。

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