予定価格の事後公表 / 建設工業新聞

公共工事の入札で、都道府県が予定価格、低入札価格調査の基準価格、最低制限価格を入札後に公表している場合は、その都道府県内の市町村も事後公表にする傾向があることが国土交通省の調査で分かった。三つの価格をすべて事後公表としているのは11道県で、それら道県内の市町村も事後公表の割合が他の都府県に比べ高かった。逆にいずれも事前公表だった奈良、大阪、福岡の3府県内の市区町村では事後公表の割合が低く、市町村の対応に都道府県の取り組みが強く影響していることをうかがわせている。
 調査結果によると、予定価格を事前公表している市町村の割合が高い5府県は、奈良(94・9%)、和歌山(93・3%)、茨城(93・2)、大阪(92・7%)、山梨(92・6%)となっている。低入札価格調査の基準価格を事前公表している市町村の割合が高い5府県は和歌山(87・5%)、大阪(77・8%)、京都(75・0%)、奈良(57・1%)、千葉(50・0%)。最低制限価格を事前公表している市町村の割合が高い5府県は大阪(97・4%)、福岡(59・6%)、千葉(59・5%)、奈良(53・3%)、大分(52・9%)だった。3価格すべてを事前公表しているのは奈良、大阪、福岡の3府県で、いずれもこれらの上位に名を連ねている。
 一方、3価格すべてを事後公表しているのは北海道、福島、新潟、群馬、神奈川、長野、静岡、兵庫、岡山、佐賀、長崎の11道県。予定価格の事前公表を行っている市町村が少ない都道府県の5位までの中に長野(6・5%)、長崎(9・5%)、新潟(17・2%)、福島(27・1%)の4県が含まれ、他の7道県でも事前公表を行う市町村は少ない傾向にある。
 3価格などを事前公表すると、基準価格ぎりぎりを狙った入札を誘発するなど行き過ぎた競争を助長するとして、国交省は事後公表への転換を自治体に要請している。同省は調査結果から「都道府県がしっかりと模範を示せば市町村の取り組みも進む」として、今春の入札適正化指針の改正に合わせて各自治体に改善要請を行う予定だ。

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