全国の市区町村が発注する工事の入札で、総合評価方式の採用が順調に広がっている。国土交通、総務、財務の3省が24日発表した公共工事入札契約適正化法に基づく10年度の入札契約実施状況調査(10年9月1日時点)結果によると、総合評価方式を取り入れている市区町村(試行導入を含む)は、前年同期に比べ4・2ポイント多い61・7%となり、初めて6割を超えた。
調査対象は、国が19機関、特殊法人が127法人、地方自治体が47都道府県、19政令指定都市、1731市区町村。10年度の総合評価方式導入率は、国が89・5%(前年度調査84・2%)、特殊法人等が96・9%(96・1%)、都道府県・政令指定都市が100%(100%)。市区町村は全1731団体のうち61・7%に当たる1068団体が導入済みとなり、前年度調査の57・5%から4・2ポイント上昇した。これら導入済み市区町村のうち、10年度に総合評価方式の入札を実際に行った実績があるのは76・0%の812団体で、前年度より6・8ポイント増えている。
導入状況をタイプ別にみると、市区町村では特別簡易型の採用団体数が83・5%と最も多かった。都道府県・政令市でも10年度になって特別簡易型の採用団体数が標準型を逆転して上回っており、自治体の総合評価方式では、手続き負担の少ないタイプが主流になりつつあることも分かった。一方、国では簡易型、標準型の順で採用機関数が多いが、特別簡易型が減少してより技術力を評価するタイプに移行する傾向。特殊法人等は高度技術提案型、標準型、簡易型ともに採用機関数が増え、タイプが多様化する傾向にある。
全地方自治体の一般競争入札の導入率は68・9%で、前年度の66・3%よりも増加した。市区町村では新規に導入したのが67団体で、導入率は2・7ポイントアップの67・7%と初めて3分の2を超えた。国の機関や特殊法人等、都道府県・政令市の一般競争入札導入率は既に100%となっている。
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