造住宅は腐朽菌やシロアリなどによって木部が劣化する危険にさらされている。劣化すれば建物の強度に影響を与えるが、部材の強度がどのくらい低下するか、現場で劣化の程度をどのように見極めるかを示す情報は少ない。そこで、築35年、築80年以上、築120年以上の住宅3棟から木材を採取し、実際に強度を調べてみた。4回シリーズの2回目となる今回は、試験結果の一部を報告する。
まず、劣化のランクごとに曲げ強度と圧縮強度を比べてみた。次ページの棒グラフは、日本建築学会木質構造設計規準に記載された樹種ごとの基準強度を100として、今回測定した試験体の強度の割合を劣化ランク別に表示したものだ。劣化ランクは以下の定義で分類した。
曲げ強度(青グラフ)は、劣化ランクがほぼそのまま反映されている。劣化の少ない「Aランク」の試験体はどれも基準強度の140%以上で、一部に劣化が見られる「Bランク」も全て基準強度をクリアした。
部材全体に劣化が見られる「Cランク」では4部材中3つが基準強度以下となり、O邸の土台Cは10%にも届かなかった。
一方、圧縮強度(赤グラフ)では、劣化ランクの違いがはっきり表れていない。基準強度を下回ったのは「Cランク」のO邸の柱と土台だけで、それ以外はすべて基準強度以上だった。しかも、右上の写真の2つの試験体を見ると、上のCランクの試験体(W邸一筋鴨居)は基準強度の148%だったのに対して、下の「Bランク」の試験体(O邸土台)は117%しかなく、見た目との逆転現象が起きていた。
同じ家の同じ樹種でどれほど強度に違いが出るか?
続いて、同じ樹種のなかではどの程度強度に違いが生じているのか、同じ住宅から採取した試験体を部位別に比較してみた。
築35年のO邸ではベイツガ、築80年以上のW邸ではマツを比べた。最も大きな強度の出たO邸の桁AとW邸の敷居Bの数値をそれぞれ100とし、それに対する他の部材の比率をグラフ化している。マツについてはO邸の土台Bも比較対象に加えた。
ベイツガの曲げは30倍、マツは2.5倍
最も大きな差が出たのは、ベイツガの曲げ強度だ。劣化が著しい土台Cが入っていることもあり、最大値を示した桁Aとは30倍もの開きが生じた。劣化が大きく影響していると考えられる。
圧縮強度で見ても、ベイツガのほうが強度の開きは大きい。最大値(桁A)と最小値(土台C)は2.7倍の開きがあった。
これに対してマツは、曲げ強度では最大値と最小値の比が2.5倍。圧縮強度では最大値と最小値の比は2.0倍、W邸で採取した試験体だけで比較すると1.6倍に収まった。ベイツガもマツも、曲げ強度のほうが圧縮強度より開きが大きくなる傾向があった。
樹種や築年数による違いは?
樹種ごとに比べると、O邸の根太Aに使われていたアピトンの強さが際立った。曲げ強度、曲げヤング係数、クギの引き抜き耐力で最大値を記録した。圧縮強度ではW邸の敷居に使われていたヒノキAが最大値を示した。ヒノキは曲げ強度でもアピトンに次いだ。
築年数でも比べたが、関連性は見い出せなかった。築35年のO邸の中に、基準値を下回る部材と最大値を示した部材の両方があった。築年数の違いよりも、樹種や劣化レベルによる差のほうが顕著だといえる。
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