特殊な混和剤を使用せず、入念な施工のみで、鉄筋コンクリート造の陸屋根を防水不要にする。こう言うと、驚く読者がいるかもしれない。しかし、総合コンクリートサービスの岩瀬文夫氏と岩瀬泰己氏らは、ある現場でそれに取り組んでいる。そもそも屋上防水が必要なのは、コンクリートにひび割れが生じるからにほかならない。日経アーキテクチュアでは、1月25日号から、屋上防水不要のコンクリートを例に、ひび割れのないコンクリートの実践方法を解説している。その一部を以下に紹介しよう。(日経アーキテクチュア編集部)
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屋上防水の保証期間は通常10年であり、10年ごとに防水工事が必要だ。従って、防水工事を不要とすれば、コストを抑制でき、また、環境負荷も抑えることができる。しかし、現在は、屋上のコンクリートに特殊な混和剤を使用せず、防水処理もしない場合、住宅瑕疵担保責任保険の適用外となるのが通例だ。筆者らは、保険適用を求めて施工方法とその効果を詳細に説明するなど、保険会社と交渉中だ。
高耐久(高密度)コンクリートをつくるには手間とコストがかかる。高耐久コンクリートをつくるため、絶対外せないポイントがある。(1)スランプ12cm以下で、水の少ない粗骨材の多い(細骨材率の低い)、硬い生コンを使う。(2)鉄筋と型枠は強固に組む。打設作業は、生コンを型枠内に詰め込むように、充填作業、再振動作業、加圧作業を入念に行う。(3)脱型時期の目安は120℃・日とし、脱型後もできるだけ長く湿潤状態を保持する。詳細は、昨年末にまとめた「コンクリート講座」(日経BP社発行、日経アーキテクチュア編)をご覧いただきたい。
日経アーキテクチュア1月25日号には、(1)の配合に賛同して生コンを提供する工場のリストを掲載している。
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