国土交通省は、同省が発注する工事の入札で設定する低入札価格調査の基準価格を4月から見直す。調査基準価格を設定できる範囲は従来通り予定価格の70~90%とするが、最新データに基づき計算式を見直し、従来は予定価格のおおむね83~84%となっていた工事の調査基準価格を2%程度引き上げる。土木関係建設コンサルタント業務についても、11年度から新たな積算手法を導入するのに伴い計算式を改定することで調査基準価格は数%上がる見込み。4月1日以降に入札公告する工事・業務(予定価格1000万円以上)に適用する。国交省は28日付で省内の関係部局や地方整備局、地方運輸局などに通知した。国交省が調査基準価格を引き上げるのは2年ぶりとなる。
工事の調査基準価格はこれまで、直接工事費の95%、共通仮設費の90%、現場管理費の70%、一般管理費の30%を足し合わせた額に1・05を乗じて算出してきたが、現場管理費が発注者側の積算の80%を下回ると、工事成績評定点が平均を下回る工事の割合が増加する傾向にあることから、現場管理費の割合を80%に引き上げて算出するよう計算式を改める。この結果、調査基準価格は従来より2%程度上がるが、現場管理費の割合を引き上げても、調査基準価格が設定可能範囲の上限(予定価格の90%)を超える工事はないとみて、設定範囲は現状のままとする。
コンサル業務の調査基準価格はこれまで、直接人件費の100%と直接経費の100%、技術経費の60%、諸経費の60%を足し合わせた額に1・05を乗じて算出していたが、4月からの新たな積算手法で、原価と一般管理費が混在する従来の積算費目構成が原価部分と一般管理費等に区分されるようになるため、調査基準価格の計算式もこれに合わせての費目・比率の見直しが行われる。新たな計算式では、直接人件費の100%、直接経費の100%、その他原価の90%、一般管理費等の30%を足し合わせ、これに1・05を乗じた額が調査基準価格になる。これにより、従来は予定価格の74~76%程度だった調査基準価格の水準は76~77%程度に上がる見込みだ。
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