現場代理人の常駐義務緩和 / 日刊建設工業新聞

国土交通省は、昨年7月に改正した公共工事標準請負契約約款に盛り込んだ現場代理人の常駐義務の緩和措置について、運用上の基本的な考え方を国や地方自治体などの公共発注機関に14日付で通知した。常駐義務が緩和される場合として、契約締結から工事開始までの期間や、工事の一時中止期間などを列挙。常駐義務の緩和に伴い他の工事の現場代理人や技術者の兼任が可能になる条件も例示した。

                  
 現場代理人は、工事現場の運営に当たり、工事の施工から契約関係事務も処理する受注者の現場代表で、約款改正前は発注者との連絡に支障が生じないよう工事現場への常駐が義務付けられていた。ただ、最近は通信手段の発達で現場から離れていても発注者と迅速に連絡が取れることもあり、国交省は厳しい経営環境にある企業からの施工体制合理化の要請に配慮。昨年7月に約款を改正し、一定の要件を満たすと発注者が認めた場合には例外的に常駐を要しないとする規定を追加した。これを受け、他の工事の現場代理人を兼ねることも可能にしたが、運用から1年が経過し、自治体などから、運用上一定の規定が必要との指摘もあり、基本的な考え方をまとめた。

               
 考え方によると、常駐義務が緩和できる場合として、直轄工事で運用されている「契約締結後、現場事務所の設置、資機材の搬入または仮設工事等が開始されるまでの期間」「工事の全部の施工を一時中止している期間」などを列挙。さらに都道府県工事でみられる「安全管理や工程管理などの工事現場の運営・取り締まりが困難でないもの(主任技術者や監理技術者の専任が不要な規模・内容)」と「発注者または監督員と常に連絡が取れる」のいずれも満たす場合にも常駐義務を緩和できるとした。
 常駐義務の緩和に伴い他の現場代理人などを兼任する場合については、▽兼任する工事の件数が少数(2~3件程度)▽現場間の移動距離が一定範囲(同一市町村内)▽発注者または監督員が求めた場合に現場に速やかに向かえる-という3条件をすべて満たすことを例として挙げた。これらの条件をクリアしても、建設業法上の主任技術者や監理技術者の専任義務は緩和されないことも留意点として明記した。

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