国土交通省は19日、東日本大震災の被災地域で発注されているがれき処理業務について、建設工事と認められる部分を経営事項審査の完成工事高に算入できるとの考え方をまとめ、各地方整備局・都道府県に送付した。がれき処理業務は、処理施設の建設が含まれていても、「業務」として発注されるため、経審の完成工事高に含まれないとの懸念が一部で出ていた。国交省の通知では、被災地での災害廃物処理業務について、特例的に工事部分を切り分けて完工高に算入できるとの考え方を示した。
被災地では、現在、宮城県石巻市などでがれきの処理が本格化し、大量のがれきと津波堆積物の処理業務の発注が進んでいる。委託業務として発注されるものの、業務内容には処理施設の建設や処理終了後の整地などの土木工事が含まれているケースが多い。
今回の通知では、「収集・運搬など」の役務提供だけでなく、業務内容に建設工事が含まれ実質的に請負とみなされる場合、「経審における完成工事高の評価対象にすることができる」とした。災害廃棄物の焼却処理施設などの工事が業務に含まれており、発注者の要求水準書など契約で明記されていれば、契約金額のうち、建設工事相当額だけを経審の完工高に算入できる。
経営事項審査における完工高は、「工事が完成し、引き渡しが完了したものの最終総請負高」と定義されている。実態が工事の場合、業務委託であっても完工高に算入されるケースも一部であるものの、通常の場合、業務で発注されれば基本的には完工高に算入できないことになっている。例えば、除雪業務の場合、除雪工事として発注されない限り、完工高としては認められないケースが多い。さらに、「総請負高」となっているため、一つの契約の中に業務と工事が混じっていても、切り分けて計算することが基本的には認められていない。今回の通知では、経審の告示で示す勘定項目について、工事部分の切り分けと、完工高への算入を被災地の特例として認める。大規模ながれき処理業務だけに限定した措置ではないため、例えば、解体工事と収集・運搬が一体で業務として発注される場合も、完工高への算入が認められる。
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