「総合評価方式の二極化の中で、地域建設業者が元請けにこだわらずにどういう役割を確立するか。発注者は技術提案評価型のプロジェクトをどうメイキングするかがポイントだ」。徳島大の滑川達准教授は、地域建設業を対象に入札行動・意識を調査研究した結果をまとめ、総合評価方式の二極化に伴って地方行政機関が地域建設業の経営姿勢の方向付けを明確に示す必要性を指摘した。港湾空港建設技術サービスセンター(SCOPE)が2日に開いた研究開発助成成果報告会で発表した。
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調査は、帝国データバンクに存在する直近売上高を基準に北海道、四国、九州の地域建設業89社に入札行動・意識をアンケートし、73社から回答があった。その結果を、09年度に実施した大手建設企業向けの入札行動調査の結果と比較した。
◆地方に二極化は必要
入札参加・不参加や入札価格を決めるポイントは、大手が「発注者積算と自社積算の隔たり」や「入札方法」「設計変更・追加工事などの可能性」「同種プロジェクトの将来可能性」が上位だったのに対し、地方は「利益確保」が入札参加・不参加の2位、入札価格決定の1位にランクインしたほか、「工事場所」「企業費用見積もりの確実性」「資格保有職員のタイプ」なども上位になった。この結果について滑川准教授は、「大手が中長期の利益確保をみているのに対し、地方は直近の工事での利益確保を重視」と分析。
積算方法についても地方の方が自社積算と予定価格の差が少ないことから、「最低価格を予想するのは同じだが、自社コストの算出能力が大きく違う。原価を縮減する能力で大手と地方に差がある」とした。その上で、「コスト構造が根本的に違い、同じ土俵で競争するべきではない」とし、国土交通省が目指している総合評価方式の二極化は「(地方建設業にとって)必要」と結論付けた。
◆目立つ資金繰り重視
地方建設業に対しては「理想とする入札・契約」についても質問した。その結果、望ましい入札・契約は、地方建設業のキャッシュフローの厳しさを反映し、「中間払いあり」「前払金制度あり」など資金繰りを重視する回答が上位を占めた。一方、くじ引きや最低価格自動落札に対する強い拒絶感も明確になった。
「下請けの評価を含む総合評価」については、「拒否したい」「どちらとも言えない」の両方で4位に入った。また、理想の総合評価方式でも、技術者の実績・工事成績より、企業の実績・工事成績の重視を求める傾向が表れた。自由回答でも「主任、管理技術者の経験だけを評価する傾向にあり、若い技術者の育成ができない」との意見があったことから、「競争力のある技術者の確保・育成に経営上の課題を抱えている」(滑川准教授)と見ている。
発注規模の大型化、技術重視の総合評価、下請業者の評価を含む総合評価、技術者の実績重視の総合評価が「どちらとも言えない」の上位を占めたことについて、「地方建設産業ビジョンや地方建設業の経営姿勢に関係する問題であり、地方行政機関が地方建設産業構造の抜本的な転換など中長期的な方向付けを検討すべきだ」とした。
さらに、地方建設業の方向付けと総合評価方式の二極化を関連付け、「発注規模を大型化して地元企業には下請けで働いてもらうなど、地方建設業者が元請けになることにこだわらず、どう役割を確立するかが(地方建設業の方向付けを考える際の)課題」とし、その意味で「(発注者にとっては、大規模工事が対象になる)技術提案評価型のプロジェクトをどうつくるかがポイントだ」とした。
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