国土交通、経済産業両省は、住宅やビルなどの省エネルギー基準を見直す議論を本格的に始めた。両省は21日、省エネ基準の改正内容を話し合う有識者による合同会議を経産省内で開き、見直し案を提示した。従来の省エネ基準では、建物の用途や建物内で使用する各種設備ごとに基準が異なっていたが、見直し案では1次エネルギー消費量を指標とし、住宅、ビルとも同一の考え方で建物全体の省エネ性能を評価する仕組みに一本化するとしている。有識者会議は今後3回の会合を経て10月中旬に最終案をまとめる。これを踏まえて両省は年内に新たな基準の施行を目指す。
調査会(経産相の諮問機関)省エネルギー基準部会住宅・建築物判断基準小委員会と社会資本整備審議会(国交相の諮問機関)建築分科会建築環境部会省エネルギー判断基準等小委員会による合同会議の初会合。会合では、両省が現行の省エネ基準の課題を提示。具体的には、住宅とビルなどで省エネ性能を評価する指標が異なり、建築主や購入者が建物の省エネ性能を客観的に評価しにくいことや、太陽光発電など再生可能エネルギーの導入効果が適切に評価できないことなどを指摘した。
見直しは、こうした現行基準の課題を解決するのが目的。現行の省エネ基準では、住宅と住宅以外のビルなどの建築物を対象に外皮の断熱性と個別設備ごとの性能をそれぞれ別々に評価しているが、見直し案ではこれを改め、1次エネルギー消費量を指標として建物全体の省エネ性能を評価する基準に一本化。用途や床面積に応じて省エネ性能を適切に評価できる計算方法を設定するとしている。
両省は、より省エネ性能の高い設備などを導入して建物を建設すれば新たな基準を満たせるような仕組みに切り替え、政府が推進する住宅・建築物の省エネの実現を後押しする。
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見直し案が示されたのは、総合資源エネルギー