国土交通省の中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会基本問題小委員会(委員長・大森文彦弁護士・東洋大法学部教授)が5日開かれ、業種区分見直しの前提条件を建設業法上の位置付けを踏まえて再整理したほか、技術者データベース(DB)を検討する上での留意事項を再確認した。また、不良不適格業者の排除を徹底するため、建設リサイクル法などの法令でも対応する必要性を指摘した。
国交省は小委員会に対して、『建設産業の再生と発展のための方策2011』で示した課題と対策を掘り下げてことし1月に整理した中間報告に、『同方策2012』も加味した上で、▽業種区分の点検と見直し▽技術者DBの整備▽社会保険未加入問題への対策▽その他検討事項――の4事項を提示した。
業種区分の見直しに関しては、一式工事のうち一定分野を施工できる仕組みは重層下請構造の是正などが期待できる一方で、配置される技術者要件が緩和される可能性があり、慎重な議論が必要と指摘。このため、見直しの前提条件として規制強化・緩和の影響や行政側と企業側の社会的負担の増加と照らし合わせても、疎漏工事のリスクを低減するような適正な施工の確保または、社会的課題解決に顕著な効果が見込まれるという判断が必要になると再整理した。
その上で、技術の専門化と対応する技術者資格が設定できること、一定程度の市場規模が担保され今後も工事量の増加が見込まれる必要があるとの考えを改めて示した。
技術者DBの基本的方向は中間報告と大きな変化はなく、特に留意すべき点について再確認した。手数料や登録の手間など技術者の負担を考慮し、DBの登録項目や機能を検討する必要があること。また、円滑な移行のために施行までの準備期間と経過措置が求められると報告した。
社会保険未加入対策も加入を促進する仕組みの構築に向けて検討すべきとした。その他検討事項に挙げている不良不適格業者排除の徹底では、建設業法のみならず建設リサイクル法などの関連諸法令による排除も検討すべきと指摘した。
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