駐車場整備推進機構は解散へ 14駐車場、民間に営業権譲渡 / 建設工業

前原誠司国土交通相は12日の会見で、同省所管の公益法人、駐車場整備推進機構が管理・運営してきた全国14カ所の直轄駐車場に、PPP(公民連携)の一形態である「コンセッション方式」の管理・運営を導入する考えを明らかにした。国が営業権を譲渡して民間事業者に一定期間、自由に営業してもらう仕組みで、有識者会議を立ち上げて事業スキームを詰める。国は同機構を1年以内に解散し、民間事業者からのコンセッションフィーで同機構の債務を返済。民間事業者は事業期間終了後、営業権を国に返還する。

 直轄駐車場は全国14カ所の国道地下に整備され、躯体は国が整備・保有するものの、料金徴収施設や空調設備などは同機構が整備し、料金収入で運営してきた。ただ、駐車場利用が低迷して債務を抱える結果となり、前原国交相は「駐車場管理は民間でも十分できるし、むしろ民間でやってもらった方がうまくできる」と判断。公益法人の見直し問題もあり、コンセッション方式を採用することで同機構を解散する方針を固めた。

 同方式は、営業権を付与された民間事業者が発注機関にコンセッションフィーを支払いながら施設を運営し、契約期間満了後に営業権を返還する仕組み。独立採算が原則で、フランスで長い歴史がある。欧州の有料道路事業などに導入されてきたが、日本では一般的ではないため、3月中に専門委員を選定して有識者会議を設置。同機構が解散する11年3月までに事業スキームを検討してもらう。営業権を譲渡する期間や金額を含め、民間事業者が資金を調達してでも事業に参画したくなる魅力的なスキームにできるかどうかがカギを握りそうだ。

 同機構は約27億円の負債を抱えており、国は営業権を譲渡した民間事業者から得るコンセッションフィーでこれを返済する。契約期間の途中で完済できれば、利益を見込める。一方、民間事業者は営業権の譲渡を受け、契約期間中は自らのノウハウを最大限に活用して収益を上げられるメリットがある。

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