Archive for the Category »建設業 関連 «

全国建設業協会(全建、淺沼健一会長)は、工事現場の仮設足場からの墜落・転落事故防止をめぐり、規制強化の動きに反対する要望活動を展開していることを27日に開いた全国会長会議で報告した。手すり先行工法の義務化や第三者による足場点検の義務化を求める動きに反対する立場から今月12日、田村憲久厚生労働相らに要望書を提出したことも報告した。要望は日本建設業連合会(日建連)、建設産業専門団体連合会(建専連)、住宅生産団体連合会(住団連)の4団体連名で行った。
足場からの墜落事故防止では、全国仮設安全事業協同組合(アクセス)が手すり先行工法の義務化などを要望。自民党の「建設現場における墜落災害撲滅・安全足場設置推進議員連盟」や厚労省の「足場から墜落防止措置の効果検証・評価検討会」が議論している。
要望書で4団体側は、09~11年に発生した足場からの墜落・転落事故の分析結果を説明。労働安全衛生規則(安衛則)に基づく措置を適切に行わなかったことが要因となったケースが約92%を占めているとして、規制は現行の安衛則で十分との見解を表明した。
手すり先行工法を採用した場合でも安全帯に頼らざるを得ない場面が生じ、不安全行動があれば墜落災害の懸念があるとも指摘。一つの工法に限定するのではなく、現場の実態に応じた足場を自由に選択できるようにすることを求めた。足場の安全点検については、事業者が選定した足場組み立て等作業主任者が自らの責任で行っており、第三者による点検は不要との見解を示した。淺沼会長は「議連の高村正彦最高顧問にも会って(業界側の考えを)説明した。地元でも反対の立場を取ってもらえればありがたい」と各建協の会長らに呼び掛けた。

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ゼネコンの民間受注額の3分の1を占める、不動産業の設備投資意欲回復が鮮明になりつつある。日銀が19日公表した、9月末の貸出先別貸出金調査で、不動産業の設備投資を目的にした新規借入額は2兆5785億円とリーマン・ショック前の水準を超えた。製造業など各業種別の設備投資向け新規融資合計額も同ショック以前の水準である10兆円台を確保した。デフレ脱却と日本経済再生へ、まず公共投資がけん引し内需が拡大するという景気回復に向けた好循環の兆しが、資金調達の側面からも浮き彫りになった格好だ。
国土交通省が公表した今年度の建設投資見通し額では、49兆9500億円の全体額に対し、民間投資額が27兆9900億円。内訳は、民間住宅投資は14兆8900億円、民間非住宅建設投資は13兆1000億円だ。
大手・準大手・中堅ゼネコンなどで構成する日本建設業連合会の受注統計でも、民間受注額の3分の1は不動産からで、不動産業の発注動向が、民間建設市場を左右してきた。
国内銀行の9月末不動産向け融資額動向で注目されるのは、設備投資を目的に新たに7-9月期で借り入れた設備資金新規貸出額(企業への融資額)が、前年同期比13.3%増の2兆5785億円と、リーマン・ショック以前の2007年9月末水準まで拡大したことだ。
不動産業の9月末時点の設備投資目的の新規借入額は、08年秋のリーマン・ショックと11年3月の東日本大震災によって低迷していたが、12年9月末、13年9月末と2期連続して2桁の増加となった。
また新規借入額だけでなく、銀行からの借入金全体と設備投資目的借入額がいずれも2期連続で増加しており、不動産業の今後の設備投資原資が厚くなった形。
震災後の建設投資動向については、「安倍政権発足、15カ月予算執行、2020東京五輪開催決定の3段ロケットによって、引き合いも含め業務はパンパンの状態」(複数の大手設計事務所)と、民間建設投資が回復基調にあると言われてきた。
10兆0016億円と大台を確保した国内銀行の設備資金新規貸出額全体(個人向け住宅ローンなどを含む)に占める不動産業向け新規設備投資目的の融資額割合も、25.7%と07年以降最大となる4分の1まで高まった。

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公共工事設計労務単価の大幅アップや受注量の増加などを背景に、4月以降に技能労働者の賃金水準を引き上げた(予定含む)建設業者が、全体の約3分の1を占めることが分かった。工事量の増大で人手不足に拍車が掛かり、「引き上げなければ必要な労働力を確保できない」という声も高まり始めた。 =関連2面
国土交通省は2013年度、毎年実施している下請取引等実態調査に、技能労働者の賃金に関する項目を新設。回答のあった約1万4000社のうち、36.6%が賃金を引き上げた。元請業者が37.9%と最も引き上げた割合が高く、1次下請は35.4%、2次下請は30.7%、3次下請以下は32.2%だった。
一方、35.6%の建設業者は引き上げていない、または、引き上げる予定がないと回答。その理由として、「請け負った価格が低く賃金引き上げの費用が捻出できない」「経営の先行きが不透明で引き上げに踏み切れない」「赤字補填や運転資金に充当する必要があり、技能労働者の賃金水準の引き上げに回す余裕がない」「他社との競争上、賃金にコストをかけられない」などの声が寄せられている。
今回の調査では、社会保険の加入状況に関する項目も拡充した。雇用、健康、年金の3保険すべてに加入している企業の割合は92.2%だった。ただし、資本金1000万円未満の知事許可業者は調査対象外のため、実際の加入率はこれより下がるとみられる。
調査結果で、いずれかの保険に未加入だった企業のうち、62.8%は今後加入する意向を示した。

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