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素人でもできる屋上防水の劣化度チェック法は?20080725KENPlatz

宮城設計一級建築士事務所
宮城 秋治 氏
宮城設計一級建築士事務所代表。一級建築士。日本建築家協会ではメンテナンス部会長を務め、東洋大学工学部建築学科では建物管理保全計画を教えている。リニューアル設計のできる若手育成に奮闘中。

Q: 築10年を経過したマンションです。屋上防水の改修工事を計画しようと思いますが、素人でもできる防水層の劣化度をチェックする方法などがあれば教えてください。

A: 屋上をはじめとする防水層は、雨水の漏水を防止するだけでなく、マンションの主要構造部である鉄筋コンクリートの劣化を防ぐ目的も持っています。マンションの主な防水工法には、アスファルトシートを積層するアスファルト露出防水、保護コンクリート防水(コンクリート押さえ仕上げ)、ウレタン塗膜防水、シート防水──などがあります。
アスファルト露出防水は、温度の変化で伸縮を繰り返したり風雨にさらされたりすることで劣化します。保護コンクリート防水は風雨のほか、日射熱による膨張や収縮などによって破損・劣化します。ウレタン塗膜防水とシート防水は主に日射や風雨にさらされることで劣化します。シート防水は、種類によっては鳥につつかれて穴が開いてしまうこともあります。

マンション管理センターでは2007(平成19)年5月に「マンション管理組合のための点検、調査・診断のすすめ方 ~安心で快適に住み続けるために~」を発行して、管理組合が自ら行う「自主点検」を推奨しています。
この本では、「屋上・屋根」の防水層の劣化度をチェックする場合には、水こう配の不足によって発生する水たまりや土砂のたい積、目地部分や立ち上がり部への雑草の繁茂、落ち葉によるルーフドレインのつまりなどの現象がないかをまず確認するとともに、それぞれの工法ごとに下記のようなチェック項目を挙げています。

<アスファルト露出防水>
・ひび割れ
・はがれ(アスファルトシートの重ね部分のコンパウンドがはがれている)
・ふくれ(アスファルトシートが波打つようにふくれている)
・砂落ち(アスファルトシートの表面の砂が落ちて白い基材が露出する)
・口あき(アスファルトシートの重ね部分が開いて口が開いている)
・破れ(アスファルト防水層の裏側に水が回り、周辺を押すと水が浮き出てくる)

<保護コンクリート防水>
・保護層のひび割れや欠け
・保護層のせり上がり(コンクリートが膨張して浮き上がっている)
・伸縮目地の跳ね(コンクリートが膨張して、目地材が跳ね上がって切れている)
・伸縮目地の著しい浮き(コンクリートの目地材が浮き上がっている)

<ウレタン塗膜防水>
・ひび割れ
・はがれ
・ふくれ
・膜厚の減少
・破れ(防水層の裏側に水が回り、周辺を押すと水が浮き出てくる)
・チョーキング(ウレタン塗膜防水の保護塗装の表面が劣化して粉状になる)

<シート防水>
・ひび割れ
・はがれ
・ふくれ
・硬化(シートが硬くなって弾力性を失っている)
・破れ(シートを鳥がつついて穴を開けたりする)
・しわ(シートに大きなしわが出来ている)
・チョーキング(シート防水の保護塗装の表面が劣化して粉状になる)

こうした現象を放置しておくと、漏水に結びつきます。漏水が起きてからの対応では、被害住居に対する賠償問題も発生しかねません。住んでいる人たちが日頃から自分たちのマンションに関心を持っていれば、不具合を未然に防ぐことができ、修繕費用も抑えられます。

事故を未然に防止するためには、建物の定期的な健康診断が大切です。あまり肩ひじ張らずに「マンション探検」のようなイベントとしてとらえれば、住民間のコミュニケーションが良好になる効果も期待できます。

「マンション探検」では、まず、以下に掲げた自主点検の七つ道具を用意します。
・巻き尺
・クラックスケール
・懐中電灯
・カメラ
・画板
・雑巾、ハケ、ブラシ
・双眼鏡

これに加えて、マンション購入時のパンフレットから平面図や立面図をコピーしておけば万全です。
マンション管理センターの前出の本にはチェックシートが付いているので、「マンション探検」に出かけたら、このシートに「○、×、△」を付けながら気が付いたことを記入していきます。一度、このシートに従って建物全体を見て回ると、マンションの現状がよくわかると思います。

屋上で点検する項目には、防水だけでなく、パラペット、金物類、避雷針、アンテナ、高置水槽なども含まれています。防水以外のところでも不具合が発見されるかもしれません。写真を撮って記録に残しておくと、役員交代があった場合でも状況変化を容易に把握できるようになります。
ただし、屋上は手すりやフェンスがないケースが多いので、通常は立ち入ることができません。「マンション探検」といっても、点検時は危険を伴うので十分に注意する必要があります。小さなお子さんを連れて上がるのは絶対にやめましょう。

このほかに自分たちでできることは、漏水について各住戸にアンケート調査を実施することです。
もちろん大量の雨漏りがあれば調査などしなくても管理組合に報告が入りますが、微量で長期にわたる雨漏りを結露(または結露によるカビ)と勘違いしていることがあります(逆のケースもあります)。漏水のシグナルを見落とさないような設問を用意して、特に最上階の住戸の方々には室内からよく点検してもらいましょう。

漏水は屋根だけ見てもわからないことがあります。確かに漏水しているのだが水の入り口がわからないこともあります。躯体のなかに「水みち」が出来ていて、水の入り口と出口がとんでもなく離れていることもよくあります。
防水層の劣化が進んでいる場合は専門家に速やかに調査・診断を依頼することになりますが、その場合でも管理組合で調べたデータは有用な基礎資料になります。
自分のからだは自分が一番よくわかっているものです。

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