Archive for » 1月 13th, 2010«

香川県は1月5日、エム・テック(さいたま市)を3カ月間の指名停止にした。同県が発注した橋の架け替え工事で、建設業法が義務付ける「建設業の許可票」などの標識を工事現場に掲示していなかった。同県は標識を掲示するよう再三指導したが、同社は応じなかったという。

 この工事は、香川県発注の「広域基幹河川本津川(国分寺工区)改修工事(万灯下橋上部工)」。本津(ほんづ)川を拡幅するのに伴って、万灯下(まんとうしも)橋を架け替える工事だ。一般競争入札で発注し、予定価格4714万5000円に対して、エム・テックが4410万円で落札した。工期は2009年2月から2010年1月29日まで。

 新たに架ける万灯下橋は、単径間のポストテンションPC(プレストレスト・コンクリート)ホロー桁橋。橋台の完成を待って、2009年10月中旬ごろに工事に着手した。10月19日に香川県が実施した初回の検査の際、建設業の許可票などの標識を工事現場に設置していないことを同県土木部高松土木事務所の職員が確認した。

 同事務所の職員は、その場でエム・テックの現場代理人に建設業法などで定められた標識がないことを指摘。標識を工事現場に掲示するよう口頭で指導した。同事務所によれば、「10月19日の時点では、住民に向けて工事を説明する看板だけしか設置していなかった」という。

 その後、同県は標識を掲示するように繰り返し指導。指導した回数は合計で11回に及んだ。それでも、同社は「建設業の許可票」を示す標識を掲示しなかった。同事務所の職員が「建設業の許可票」の標識が設置されたのを確認したのは、11月24日になってからだという。

 高松土木事務所の担当者は、「建設業法に基づく標識の掲示を怠っていた工事は記憶にない。準備する期間は十分にあったはずだが、残念」と話す。標識の掲示に関連して、橋の架け替えの工期に影響はない。

 建設業法では、工事をしている建設会社の名称のほか、大臣や知事から受けた許可番号などを示す「建設業の許可票」や「施工体系図」などの標識を工事現場に掲示するよう定めている。

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国土交通省は、全国各地で住宅版エコポイントと住宅瑕疵担保履行法についての事業者向け講習会(「住宅版エコポイント及び住宅瑕疵担保履行法講習会」)を実施している。1月6日の青森、岩手、宮城、山形の東北地方を皮きりに22日まで、47都道府県で1000人規模の会場を使い順次開催中だ。

 住宅版エコポイントへの事業者の関心は高い。取材した1月8日の千葉市若葉文化ホールでは、午後に1回の開催予定だったが、受講申し込みが定員を上回り、急きょ午前の部を追加した。他の地域でも同様の追加措置があったという。講習時間は約90分。前半の約30分が住宅瑕疵担保履行法、次に住宅版エコポイントが約40分、残りの約20分が質疑応答だった。

1月8日に千葉市若葉文化ホールで開かれた講習会。予定していた午後の部が定員を上回ったために追加された午前の部だが、会場はほぼ満席だった。講習会終了後に列をなす質問者。10人以上の順番待ちに列ができ、30分余りにわたって、講師の原田課長補佐はメモと取りながら答えていた。

 住宅版エコポイント制度は、1月下旬に予定されている次期通常国会で2009年度第2次補正予算が成立して以降の施行となり、まだ具体的な内容が決まっていない部分も多い。講習会でも「詳細はまだ決まっていない」といった項目が多くあったが、「例えば」と例を示すかたちで大まかなイメージが分かるように説明していた。

 当日に配布された資料と講演内容をもとに、いくつかポイントを報告する(制度の概要については国土交通省のサイト「住宅版エコポイント制度の概要について」や、ケンプラッツでこれまで掲載した記事を参照)。

 まず対象期間について。新築住宅は、09年12月8日~10年12月31日に着工した住宅、リフォームは10年1月1日から12月31日までに着工した住宅が対象だが、第2次補正予算成立日前に工事が完了し、引き渡されたものは対象外になる。「特に工期の短いリフォームは注意が必要だ」と、この日の講師だった国土交通省住宅局住宅生産課の原田佳道課長補佐は話す。

 住宅版エコポイントは1ポイントが1円相当。具体的なポイント数は決まっていないが、目安として新築住宅の場合が30万ポイント、リフォームは例えば10カ所の窓に内窓を付けた場合で15万ポイント程度になる。

 家電のエコポイントの場合には、地上デジタル放送対応テレビを買うと、購入時にそのポイントを地上デジタル放送を受信するために行うアンテナの工事費用に充当できる。住宅版の場合も同じような形で「即時交換」ができるようにする方向で検討を進めている(図2)。「例えば、エコリフォームのポイントで、同時に太陽光発電設備の設置、浴室やキッチンの改修などの工事ができるようにしたい」(原田課長補佐)。

 講習会では、約20分の質疑応答時間を設けてあったが、1人が複数の項目について質問したため、2人で時間切れとなった。そこで、講習会終了後に講師の原田課長補佐は、会場の一角で個別に対応。10人以上の順番待ちの列ができた。住宅会社などの実務担当者と見られる人が多く、質問内容もより詳細で、要望などもあった。

 例えば窓の改修については、以下のようなやりとりがあった(回答は原田課長補佐)。

Q:大きさは関係ないのか。
A:あまりに小さい窓はどうするか検討中で、大きさによってポイントに差をつけることも視野に入れている。
Q:窓はLow-E(低放射)にする必要があるか。
A:日射の遮蔽ではなく、断熱が目的なので通常の複層ガラスでよい。
Q:増築も対象になるのか。
A:趣旨には反するが対象にする。

 新築住宅については、「規模に関係なくポイント数を同一にする」と回答。「評価機関の証明には最低でも3万5000円程度かかり、ポイントの1割を超える。下げるよう指導できないか」という質問に対しては「個別の機関の基準であり介入はできない」と話した。このほか、「断熱材メーカーの各製品の性能を公開して欲しい」「申請書類を簡素化してもらいたい」など即答できない質問や要望も相次ぎ、「持ち帰って検討する」と説明していた。

 講習会の受講は無料。国交省のサイトには事業者向けとあるが「参加の制限はなくエンドユーザーも受講できる。できる限り分かりやすく説明するようにしている」(原田課長補佐)という。申し込みは講習会事務局が電話またはファクスで受け付けている。電話は0120-003-605、ファクスは0120-009-242。今回の講習会のほか、1月下旬から3月末にも講習会の実施を予定している。

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