Archive for » 5月 11th, 2010«

太陽光発電で得たエネルギーを水素に置き換え、新型の燃料電池を利用して効率的に電気や給湯用の熱を生み出す新しい自給システムを、同志社大の千田二郎教授(54)の研究チームが開発し、本格実験に乗り出した。こうしたシステムの開発は全国初といい、当面は家庭で使用するエネルギーの15%前後の自給率を想定しているが、同チームは「今後、燃料電池の開発が進めば100%のエネルギー自給も可能」としている。

 エコへの関心の高まりとともに太陽光発電も広がりつつあるが、共働き世帯など昼間に家族が外出する家庭では、太陽光パネルを設置してもバッテリーの設置費用などがネックとなり、効率的なエネルギー自給が難しい現状にあるという。

 同チームが開発したシステムでは、太陽光パネルで集めた電気エネルギーを、水道水を使って電気分解装置で水素に置き換え、ボンベに貯蔵。給湯や電気を必要とする際に都市ガスと混合させ、現在メーカーが開発中の個体酸化物型燃料電池(SOFC)で電気、熱エネルギーに変換する。

 実験は、京都府京田辺市にある同志社大エネルギー変換研究センター屋上の約20平方メートルで実施。住宅用太陽光パネルなどを使った小型システムで、約半年間データを集めるという。

 日照時間などを考慮すると、小型システムで、4人家族の家庭が1日平均で消費する給湯用などの熱と電気双方の15%程度にあたる1時間あたり2.8キロワットを自給できるとしている。

 今回開発されたシステムについて、大阪大学大学院の赤松史光(ふみてる)教授(機械工学)は「無公害の世界最先端の画期的システム。大型化すれば、住宅のほか都市部のオフィスなどでの普及も期待される」と評価している。

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建設産業専門団体連合会の才賀清二郎会長は10日、日本建設業団体連合会(野村哲也会長)との協議会後に会見し、2010年度の活動方針として(1)若年者等の人材確保(2)生産性向上(3)基幹技能者の地位向上(4)広報活動――の4項目に取り組んでいく考えを明らかにした。これらを実現するため、6月からスタートする国土交通省各地方整備局との意見交換会では、登録基幹技能者の活用促進と適正評価、ダンピング(過度な安値受注)の防止、安全衛生経費の別枠計上などを訴えていく。

 協議会は、日建連の『建設技能者の人材確保・育成に関する提言』の実現に向けたもので、今回で2回目。才賀会長は「提言に掲げられている、優秀な建設技能者の標準目標年収600万円以上を実現するためには、日建連側だけでなく、われわれ建専連側も努力しなければならない」とし、「われわれが正確に仕事をし、工事の手直しや手戻りが少なくなるような努力も含めたトータルで年収600万円以上を目指す」と述べた。

 そのためには、10年度の活動方針に掲げた「生産性の向上が不可欠」とし、6月1日の総会では、09年4月にまとめた『建設労働生産性の向上に資する提言(躯体編)』に設備、仕上げ、土木を追加した全般的な提言を発表する。

 躯体編に盛り込んだ、品質・技術力重視の入札制度拡充、発注者・設計者・元請け・下請けによる4者協議の推進、基幹技能者の活用促進と適正評価など8つの提言に加え、(1)今後増大が見込まれる施設建築物の維持・補修を直接受注する新たな事業の展開(2)適正対価の確保を前提とした業務の遂行(3)元請け・発注者・専門学校などへの組織的PRの推進(4)地域・社会貢献活動のPR――の4つを提言する。

 PRに当たっては、『知ってほしい登録基幹技能者のこと』と題するパンフレットを作成した。登録基幹技能者の役割や経緯を始め、登録基幹技能者の優れた点や評価、期待を下請け、元請け、発注者にアンケートした結果も紹介している。建専連では、大上段に構えず、若年層と同じ視点に立ち、身近な産業であることをPRしていく方針で、ホームページも充実させていく考えだ。

 基幹技能者の活用促進と適正評価では、総合評価方式で基幹技能者を評価する事例が国交省や地方自治体、都市再生機構で出始めていることを踏まえ、積極的な試行を発注者に求めていく。

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