国土交通省は5月17日、太陽光発電パネルを既存住宅に設置する際の基準を策定した。瑕疵担保保険加入の際に実施する検査や施工のための技術的な基準を定めたもので、同保険に加入するリフォーム工事が対象となる。新築住宅や、同保険に加入していない既存住宅は対象外だ。太陽光発電パネルの住宅への設置が近年急速に普及し、雨漏りなどの不具合が発生する件数が増加している。これまで、設置工事についての技術基準がなかった。
不具合発生を防止するため、国交省は、屋根の支持部材の固定方法と防水処理、外壁貫通部分の防水処理などの施工上の留意点を、「既存住宅売買及びリフォーム工事における瑕疵担保責任保険施工・検査基準(住宅用太陽電池モジュール設置工事編)」にまとめた。
新基準では太陽光発電パネル設置工事を、屋根置き型、陸屋根型、屋根建材型の3つに分けている。
屋根置き型は、瓦、スレート、金属製のこう配屋根を想定する。屋根の主要な構造部材である垂木、母屋などに、太陽光発電パネルの支持部材を取り付け、この支持部材に架台を固定するよう求めている。
陸屋根型は、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造に露出防水を用いた場合を想定する。屋根の上に基礎などを設け、その上に架台を作り、太陽光発電パネルを固定する。
屋根建材型は、太陽光発電パネル自体が屋根材としての機能を備える場合を想定する。屋根の野地板の上に直接設置するため、パネルが住宅の屋根構造やこう配、下地処理などに適合したものであることを求めている。
また、新基準では、事前調査で著しい劣化などが明らかになった場合は計画に補修を含めることや、外壁を貫通する部分には屋内に雨水が浸入しないよう屋外側に下りこう配を付け、シーリング剤を用いるなどの防水措置を施すことも定めている。
国交省は、住宅事業者と住宅瑕疵担保責任保険法人の検査員を対象に、無料講習会を6月から全国で実施する予定だ。
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