Archive for » 5月 24th, 2010«

 国産材の利用拡大による木材自給率の向上を狙った「公共建築物木材利用促進法」が、修正を経て5月19日に成立した。建築材料としての利用を促すために国が規制の緩和・撤廃を検討することなどを、新たに盛り込んだ。また、当初のターゲットだった低層の公共建築物だけでなく、住宅や工作物、製品の原料やエネルギーへの利用にも支援対象を拡大した。

 修正を加えて成立した同法では、建築基準法などの規制について、木材の耐火性能に関する研究成果や建築の専門家の意見、海外での規制の状況などを踏まえて検討し、国が規制緩和や撤廃などに必要な法制上の措置などを講じることとした。また、木材利用の促進に関する取り組みや研究、技術開発、人材育成などへの支援を努力義務とした。公共建築物への木材利用の促進に関して実効性を担保するために、農林水産大臣と国土交通大臣が利用目標などを定めた「基本方針」について、毎年1回の実施状況の公表を義務付けた。

 公共建築物以外についても木材利用を促進するため、新たに条文を加えた。住宅に関しては「断熱性、調湿性などに優れ、紫外線を吸収する効果が高いこと」「国民の木造住宅への志向が強いこと」「地域経済の活性化に貢献すること」などを理由に、需要開拓のための支援などを行う。

 木材を利用したガードレールや高速道路の遮音壁、公園の柵などの工作物については、「景観を向上」し「利用者などを癒やす」ことに役立つとして、設置を推進する。このほか、パルプや紙などの原材料として、あるいは化石資源の代替エネルギーとしての利用促進についても盛り込み、木材の用途拡大と多段階での利用を促す。

 施行は公布から6カ月以内。日経アーキテクチュア2010年4月12日号でインタビューに応じた郡司彰農水副大臣は「2010年内の施行を見込んでいる」と話している。

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 行政刷新会議の事業仕分け第2弾後半戦で21日、建設業技術者センターが行っている「監理技術者資格者証の交付」事業が廃止とされた。また監理技術者に対し5年に一回義務付けている「登録監理技術者講習」についても義務付け廃止と結論付けた。

 議論の当初から、座長の津川祥吾議員は「コリンズ(工事実績情報システム)データがあり監理技術者データはいらない。工事現場でも監理技術者証はいらないと言っている」とし、結論が方向付けられた中で判断がなされた。

 廃止が現実化すれば、監理技術者の専任配置確認や建設業法違反チェックなどを行う発注者や監督行政にとって作業量増大だけでなく、施工する企業側も1枚の監理技術者資格者証にまとめられた多くの情報をそれぞれ別途に提出する必要があり事務の煩雑化は避けられない。

 さらに、技術者数に応じて適正な受注と施工を目指してきた建設業界にとって、資格者証廃止によりチェック機能が甘くなることで、不良・不適格業者の参入拡大を招き、最終的には一層の過度な競争激化に陥る可能性が出てきそうだ。

 津川議員は建設業法で定められた監理技術者制度についても、「主任技術者が居てさらに監理技術者をつくるのは屋上屋」と批判。

 これに対し、国土交通省は監理技術者の名義貸しなど違法行為に対し専任配置とその確認のためにも監理技術者と証明証の必要を強調したが、津川議員は「なんの効果もない」と断言した。

 ただこれまで地方建設業界は、技術者を他社から借りてきたり、退職して現場を離れた人間を雇用している形をとって応札したり、一定規模以上で義務付けられている専任配置もしない不良・不適格業者を排除するために、専任配置の要件厳格化とチェック機能強化を行政に求めてきた経緯がある。

 また、日本建設情報総合センターについては、電子入札システムについては、「国がもっと関与し競争させる」と結論付けたほか、工事・業務実績提供システム(コリンズ・テクリス)からの情報提供についても、「年度内の料金引き下げ」など見直しを決めた。

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