東京商工リサーチが8日発表した10年上半期(1~6月)の建設業の倒産(負債1000万円以上)は1748件(前年同期比16・7%減)で、上半期としては94年以来の低水準となった。負債総額も2788億25百万円(50・5%減)と半減し、上半期としては91年以来、19年ぶりに3000億円を下回った。上半期の倒産件数の減少は2年連続。負債が10億円を超える大型倒産は前年同期比54・7%減の33件にとどまり、負債総額も押し下げた。
同社は、倒産件数と負債総額が大幅に減少したことについて、中小企業向けの金融支援策である「景気対応緊急保証制度」や、金融機関に借入金の返済猶予を促す中小企業金融円滑化法の施行が倒産を抑制していると指摘する一方、こうした倒産の減少は景気の自律的回復に伴うものではないため、「決して楽観できる状況にない」と分析。「本年度の公共事業関係予算が前年度比18・3%減の大幅減となる中で、その影響がいつごろ表れるのか。先行きの不透明感は増している」と懸念を示している。
上半期の業種別の倒産件数は、総合工事業885件(27・9%減)、職別工事業565件(2・3%増)、設備工事業298件(6・5%減)。「受注不振」が原因の倒産が全体の74・0%に当たる1295件(6・9%減)を占めたほかに、「既往のしわ寄せ」による倒産が198件(27・2%減)、「運転資金の欠乏」による倒産が99件(44・3%減)、「他社倒産の余波」による倒産が198件(27・2%減)となっている。
倒産企業を資本金規模別に分けると、1000万以上5000万円未満の企業の倒産が756件(28・6%減)、1億円以上の企業の倒産も7件と前年同期の17件から減った。都道府県別では37都道府県で減少。全国9地区別でも中部を除く8地区で前年同期を下回った。
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