都市計画法と建築基準法の集団規定を再編・統合し、「都市計画・建築統合法(仮称)」の創設を-。日本弁護士連合会が、両法を抜本的に改正し、開発許可と建築確認を一体化させた統合法の創設を求める意見をまとめた。24日には国土交通省と環境省の関係部署に提出したほか、各政党にも送付。今後、日本建築学会などと連携してシンポジウムを企画して法改正への社会的機運を高め、関係者間の協議推進を働き掛けていく方針だ。
日弁連は07年11月に行った「持続可能な都市をめざして都市法制の抜本的な改革を求める決議」に基づき、約3年かけて都市計画・建築統合法案の創設を柱とする意見書を作成した。意見書によると、統合法では、持続可能な都市を形成・維持し、快適で心豊かに住み続ける権利の保障を目的に掲げる。その上で、現行の都市計画法と建築基準法の集団規定を統合し、街づくりの大枠を総合的に考慮して管理・制御できる許可制度を想定。建築基準法のうち個々の建築物件に関する単体規定については存続させ統合法を補完する形を取るとしている。
全国土を統合法の規制対象とした上で、国や都道府県以上に地元を熟知している市町村が策定するマスタープランに法的拘束力を持たせるよう求めている。未開発地域の開発は原則として認めず、開発許可を得るには地区詳細計画の作成が必要とした。市町村に土地利用の規制や具体的なルールの策定、事業の個別審査の権限を与え、地方主導の都市づくりを後押しするとしている。
都市計画と規制・基準の策定や許可手続きに、初期段階から住民が参加できる権利として法的に保障することも提案。不合理な事業・計画から個人の豊かな暮らしを守れるようにするため、裁量統制の厳格化、執行停止原則あるいは一定期間の無条件執行停止を含む行政不服審査や司法審査手続きの抜本改正に取り組む必要性も強調している。
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