国土交通省は2011年11月10日、過去に大臣認定を受けた木製サッシ製品などの一部に、認定仕様に適合しないものがあったと発表した。
該当したサッシ関連の大臣認定の取得企業は、ヴェステック(東京都杉並区)、キマド(富山市)、大栄木工(秋田県能代市)、森の窓(石川県宝達志水町)、タミヤ開発(奈良県田原本町)、コシヤマ(秋田県能代市)、ユニウッド(新潟県村上市)、アルス(山形県米沢市)、中央鋼建(仙台市)、綿半鋼機(長野県飯田市)の計10社(下の表参照)。中央鋼建と綿半鋼機の2社以外は、全て木製のサッシが対象だ。
同省は、認定取得時の不正行為はなかったとみて、これらの認定を取り消す可能性は否定した。製品が使用された建物が建築基準法に違反していないかどうかの確認や、不適合の再発防止策の報告を10社に指示した。指示を受けたあるメーカーは、「製品の仕様を認定取得時の状態に戻すのではなく、いまの仕様で認定を取り直す方向で検討中だ」とコメントした。
認定仕様と製品との不適合は、国交省が実施している防耐火関連のサンプル調査で判明した。表の10社の製品に対して調査したのは仕様が認定仕様に一致しているかどうかで、性能が認定の通りかを調べる燃焼試験は行わなかった。従って今回の発表は仕様の不適合だけを問題にしている。例えばヴェステックの木製サッシでは、認定仕様では入っているはずの発泡材の欠落と、雨押さえアルミニウム合金の厚さの不足が判明した。
国交省の防耐火関連のサンプル調査は08年に始まった。同省建築指導課によると12年も続ける方針だ。「大臣認定の仕様と製品との不適合を網羅的に防げるような施策はない。個々の認定に関して調査を続けることで建材業界に緊張感を与え、不適合を抑止する効果を見込んでいる」と同課の担当者は話す。
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