Archive for » 1月 21st, 2011«

全国建設業協会(全建、淺沼健一会長)は、超党派の国会議員で構成する「公共調達適正化研究会」に提案する要望事項の大枠をまとめた。国と地方とを分けて考えた調達制度の構築や、予定価格ではなく「標準価格」を活用する手法への移行を提案。入札参加企業数の絞り込み、落札者決定過程の省力化なども求める。会計法令など既存の概念にとらわれることなく、「斬新な提言としていく」(淺沼会長)考え。全建は、長期的な視点からの「公共調達のあるべき姿」に関する提言も検討する方針で、11年度事業計画の大きな柱の一つにする。
 全建は20日、東京・大手町の経団連会館で評議員会を開き、今後の活動や来年度事業計画案の骨子を説明。その際に、同研究会の活動を踏まえた全建側の検討状況を報告した。淺沼会長は「(研究会の)脇雅史参院議員から、会計法や、入札契約適正化法(入契法)、公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)などにとらわれずに自由に提言してほしいと要請があった」と述べ、「斬新な提言をするようにしたい」との考えを示した。
 同研究会は、公共調達の適正化に向けた新法制定を目指して議論を進めており、全建などの業界団体に意見を求めている。全建は、1件の工事に数十社が参加してダンピング受注が横行したり、落札者の決定に多くのコストと労力がかかったりしている現状を改善する必要があるとの認識から、要望事項について早急に詰めていく考え。
 具体的には、国と地方とでは、事業内容や議会制度といった政策決定過程が異なるため、公共調達制度も分けて考えることの必要性を主張していく。さらに、予定価格の考え方を見直すことも提案する。予定価格は、標準的な積算を積み上げて算出していることを踏まえ、「標準価格」という概念を打ち出す。一定範囲内であれば、標準価格を上回る応札を認めるべきだという考え方だ。落札者の決定プロセスを省力化し、工事の履行に労力をかける方向に改めることや、くじ引きによる落札者決定を禁止することも要望事項に入れる方向で詰めている。

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