日本建設情報総合センター（ＪＡＣＩＣ）は１１年度から、コリンズ（工事実績情報システム）とテクリス（業務実績情報システム）の利用料金を見直すとともに機能強化を図る。政府の事業仕分けを受けた措置で、受注者のデータ登録料金と発注者のデータ検索料金がそれぞれ大幅に引き下げられることから、活用促進が期待される。併せて電子入札コアシステムの機能充実も図る。
　ＪＡＣＩＣは、昨年５月に政府の行政刷新会議が行った事業仕分けでコリンズ、テクリスの利用料金見直しを求められたことから、国と自治体、業界団体で構成する利用者会議を設置。受・発注者双方の意見を聞くとともに、利用料金見直しに向け有識者による特別委員会を設置して検討を進めてきた。コリンズ、テクリスの事業改善方針によると、ＪＡＣＩＣ全体の業務見直しで年間１・７億円の財源を捻出し、１１年度から利用料金を見直す。具体的には、工事、業務にそれぞれ中規模料金区分を設定し、小・中規模区分の料金を９～１０％引き下げる。
　工事のデータ登録料金は、規模５０００万円以上は９０３０円に据え置くが、２５００万～５０００万円は９％下げて８２００円（従来は９０３０円）、２５００万円未満は１０％下げて２６５０円（同２９４０円）に見直す。業務のデータ登録料金は、規模２５００万円以上は据え置くが、５００万円～２５００万円は９％下げて８２００円（同９０３０円）、５００万円未満は１０％下げて２６５０円（同２９４０円）とする。
　発注者のデータ検索料金もそれぞれ５％下げる。１０カ所を超える部署でシステムを利用する場合のＩＤ交付料金も９割引き下げる。一つのＩＤを追加する料金は、工事で５０００円（同５万２５００円）、業務で２０００円（同２万１０００円）とする。情報システムの機能強化では、基本ソフトを最新バージョンに対応させるほか、工事・業務の評価機能を発注者の枠を超えて利用できるようにする。電子入札コアシステムは、対象を工事・業務だけでなく物品・役務に拡大。処理速度向上やユーザーへのサポート体制の充実も図る。